2024.11.29

広報コラム

広報におけるDXとは? 業務効率化、成果向上への道筋と最新事例を紹介

広報におけるDXとは? 業務効率化、成果向上への道筋と最新事例を紹介

昨今、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいます。しかし、広報部門においては「何から始めればよいかわからない」「手が回らない」といった声が多く聞かれ、DXの取り組みが他部門に比べて遅れている傾向があるようです。
そこで今回は、実際の企業事例をもとに、広報DXの効果的な進め方と、成果を上げるためのポイントについてご紹介します。

※本記事はエキサイト株式会社・株式会社エルテス主催のカンファレンス「「ブランディング」と「危機管理の最適解」〜企業価値を高める攻めと守りの広報戦略〜」から、当社セッションの内容を再編集したものです。

広報におけるDXとは?まずは本質を理解する

DXという言葉は、2004年にスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した概念です。「デジタル技術の浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という考え方を示しています。

これを広報業務に当てはめると、単なるデジタル化だけでなく、そこから新しい価値を生み出す、ということが重要になってきます。
たとえばクリッピングの自動化などは、すでに取り組まれている広報部門も多いと思います。そこからさらに「クリッピングの結果から何を読み取り、どのように次に活かすか」という視点を持っている広報部は、有意義な活動がしやすい環境を築けていると言えるでしょう。

また、シンプルではありますが、自動化によって生まれた時間で何をするか、という視点も重要です。メディアキャラバンを行ったり丁寧な資料を作成するなど、より質の高い広報活動にリソースを振り向けることもDXの一環と言えます。

広報のDXは他部門より難しい?その理由とは

広報部門でDXが進まない大きな要因として「業務が多すぎる」という問題が挙げられます。

採用広報、社内報作成、プレスリリース配信、取材対応、効果測定…など、広報部門の業務は多岐にわたります。それぞれの業務が複雑で、かつ件数も多いため、新しい取り組みを始める余裕がないのが実情です。加えて、業務が多様すぎるがゆえに、どの業務からDXに着手すべきかの判断も難しくなっています。

この状況を打開するには、まず自部門の業務を可視化し、優先順位をつけていく必要があります。

即効性の高い3つの広報DX事例

続いて、広報業務の中でも、特にDX効果が高い領域と事例を3つ紹介します。

1. 取材対応管理

大手企業では月間100件以上の取材依頼があるケースも珍しくありません。
ある全国総合ディスカウントストアでは、データベースと連動した取材申込フォームを導入することで、手入力作業を大幅に削減したという事例があります。
さらに、クラウドでの情報共有により、チーム内での進捗確認が容易になり、対応スピードの向上と抜け漏れ防止を実現しました。

2. クリッピング業務

新聞、雑誌、Web、TVなど、多メディアからの情報収集と仕分けは、人力では手に余ることもあります。
ある医療関連企業では、クリッピングツールを導入し、掲載情報の自動収集に加え、PV数やリーチ数、SNSでのシェア数など、多様な指標の取得を自動化。これにより、分析や報告資料作成の工数を大幅に削減することに成功しました。

3. プレスリリース配信管理

頻繁にプレスリリースを配信する企業では、個々のリリースの効果検証が追いつかず、改善サイクルを回せていないケースが多く見られます。

あるビジネス機器メーカーは、配信から掲載までのプロセスを可視化できるツールを導入。リリースごとの既読率、掲載数、SNSでの反響など、詳細なデータを取得・分析することで、より効果的な配信戦略の立案が可能になりました。

生成AIがもたらす新たなDXの可能性

広報DXの新たな展開として、生成AI活用の可能性が注目されています。

たとえば当社では、プレスリリースのURLを入力するだけで、Q&A作成の自動化、各SNS向けの投稿文や、記者向けのメール文面を自動生成する仕組みを作成しています。(詳細はこちら)

成功する広報DXのために必要な3つの視点

広報DXを成功に導くためには、以下の3つの視点が重要です。

1. 自部門の課題を明確に把握する
業務の可視化を通じて、本当に解決すべき課題を特定します。

2. まずは業務のデジタル化からスタートする
いきなり大きな変革を目指すのではなく、まずは業務のデジタル化から始め、段階的に発展させていきます。

3. 自動化によって空いた時間の活用方法を事前に検討する
DXによってできた時間をどのように活用するか事前に計画を立てることが、より戦略的な広報活動への一歩です。

データドリブンな広報戦略の実現

広報DXの本質は、業務効率化だけではなく、より戦略的な広報活動を実現することにあります。実際にDXを推進している企業では、さまざまなデータの分析に基づいた意思決定が可能になり、より効果的なアプローチが実現できています。

重要なのは「できることから始める」という姿勢です。ハードルを低くして小さな成功体験を積み重ねることが、より大きな進化への足がかりとなるでしょう。

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