広報コラム

PRトレンドナビ vol.1『ノンアル』『低アル』

ここ最近、飲み会の定番が少しずつ変わり始めているのをご存じですか?

かつては“飲めてナンボ”の世界だったアルコール文化も、今では多様化が進み「ノンアルコール」「低アルコール」といった選択肢が注目を集めています。これは飲めない人のための代替品という位置づけを超え、“ライフスタイル”や“ウェルネス志向”の象徴にもなりつつあります。

広報視点では、企業姿勢の柔軟性や多様性のアピール、またZ世代との親和性を高める切り口として活用価値が高いキーワードです。

なぜノンアル・低アルが注目されるようになったのか?

ポイント
2021年健康意識の高まりでノンアル人気が底堅く上昇
2023年多様なフレーバー・パッケージ訴求でSNSでもバズ
2025年低アルブーム到来。ビール・カクテルの代替として浸透

テレワークや健康意識の向上が背景にあり、いまや「飲まない人」の選択肢づくりは企業の価値訴求の一環に。

データで見るノンアル・低アルの盛り上がり

「PRオートメーション」の2025年上半期メディア分析によると、「ノンアル・低アル」をテーマにした記事は夏(7月)に最大の盛り上がりを見せています。特にクリッピング数・バズ数ともにピークを記録したのは2024年7月で、花火大会や夏祭り、BBQなど“夏のイベント”との親和性が極めて高いことがうかがえます。

今後もこの傾向は続くと予測され、「季節行事×ノンアル」の組み合わせは、春の花見だけでなく、夏や年末年始など他シーズンへの拡張も可能です。また、2025年2月や4月にもバズが集中しており、健康や新生活といった季節文脈との掛け合わせも有効と考えられます。

バズった施策トップ3

  • 要約:モスバーガーが獺祭とコラボした“ノンアル日本酒シェイク”を数量限定で発売し、10日間で約20万食を販売。
  • バズ要因:“ハンバーガー×日本酒”という意外な組み合わせが驚きを呼び、「飲むより撮りたい」欲求に応える映え要素で拡散。
  • 要約:アサヒが都内でノンアル専門立ち飲み屋を期間限定で開設。「健康的な忘年会文化」を提案。
  • バズ要因:飲酒文化を逆手に取った“ノンアルだけ”の空間が新鮮で、健康志向の流れにも合致しSNSやメディアで注目された。
  • 要約:ミズノが開発した運動後向けノンアル「PUHAH」がランナーにヒットし、前年比70%増の売上を記録。
  • バズ要因:スポーツブランドが飲料を出すという“意外性”が話題化し、「走った後のご褒美」という明確な使用シーンが共感を生んだ。

広報に活かすヒント

施策の切り口内容
季節イベント×ノンアル花見、夏祭り、Xmasなどに絡めた体験PRで季節性を演出。
健康・ウェルビーイング訴求「飲まない選択」が前向きだという文脈を大切に。
新生活シーズン訴求4月・9月など環境変化の時期に、ノンアルが“新習慣”として話題になりやすい。
生活リズム・休肝日の提案曜日や時間帯での飲用シーン(平日夜、在宅時など)を想定した訴求で共感を創出。
地域性を活かす地方メディアやコミュニティとの連携で、バズを誘発。

どのメディアにどうアプローチすると良いか?

露出記事とバズ率のマトリクスから、以下の媒体が注目です。

  • ねとらぼ
    媒体の特徴:生活者目線のユニークネタに強く、SNSでの拡散力も抜群。見出しのインパクト重視。
    キーワードとの関連性:「“飲まない楽しみ方”」や「変わり種ノンアル」のようなコンセプトと親和性が高い。
  • オトナンサー
    媒体の特徴:大人の悩み・疑問・新習慣を特集するライフスタイル系Webメディア。
    キーワードとの関連性:「健康志向」「休肝日」などの文脈でノンアル訴求がしやすい。
  • FNNプライムオンライン
    媒体の特徴:ニュース性と生活者実感のバランスが取れており、地域や社会系の話題も扱う。
    キーワードとの関連性:「地域で起きたユニークな取り組み」「ノンアルの新しい習慣化」など、報道寄りの切り口で活用可能。

まとめ

ノンアル・低アル市場は、健康志向やSNS映えニーズの高まりを受け、季節ごとの新商品や体験型施策で一気に盛り上がっています。試飲会やDIY動画、タイアップ記事など、消費者に「自分ごと」で体験してもらうPR施策が効果的。Food & Travel系、女性向けライフ系、読み物プラットフォームでの発信連携を図ることで、戦略的にメディアアプローチができます。

▼PRトレンドナビとは?
本コラムは、自社ツール「PRオートメーション」内の「企画する(Buzz NEWS Analyzer)」機能を活用し、話題のキーワードを分析した結果をもとに構成しています。
いま注目されている社会的テーマやキーワードを広報視点で読み解くシリーズであり、生活者の価値観の変化や季節性・時事性のある話題をもとに、企業広報にどう活かせるかを事例やデータとともにご紹介します。日々の企画立案や社内提案のヒントとして、ぜひご活用ください。

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