デジタルによる効果測定が一般的になったことで、企業の広報活動、そして効果指標も大きく変化しています。特に「数字を読む力」の重要性は広報領域においても重要性を増しています。しかし多くの広報担当者にとって、データを収集し分析することは未だ馴染みの薄い領域かもしれません。
本記事は当社で開催したウェビナー「広報効果測定研究会〜 広報担当が知っておきたいサイト分析〜」をもとに、広報業務で役立つ「サイト分析」の基本~応用をわかりやすく解説していきます。
登壇者
野中 透(のなか とおる)
プラップノード株式会社 マーケティングマネージャー
PRオートメーションのマーケティングを担当。精密機器メーカー、デジタルエージェンシーを経て、2018年プラップジャパン入社。デジタル広告運用、SNS運用、ソーシャルリスニング、アクセス解析など広報領域におけるデジタル施策全般のディレクションを担当。 これまでに食品メーカー、飲料メーカー、外資系IT企業、大手デベロッパー、製薬企業など幅広い業界のデジタル施策を手掛ける。 2022年より、PRオートメーションのマーケティング担当として、デジタル領域を中心とした施策立案、実行に携わる。
桃井 克典(もものい かつのり)
プラップノード株式会社 コンテンツマネージャー
2013年プラップジャパン入社。PRコンサルタントとして、BtoC・BtoB問わず様々な企業・自治体の広報業務に従事。リリース配信、メディアアプローチにとどまらず、イベント、SNS、動画、Webサイトなど様々な手法を通じた戦略立案・実行を担当。2020年よりPRオートメーションのマーケティング担当として、Webサイト、ウェビナー等で広報活動効率化のヒントを発信している。
広報活動におけるサイト分析の重要性
近年、企業の広報活動において、サイト分析の重要性が高まっています。広報会議の行った調査(出典:2024年2月号)によると、サイト分析を効果測定の指標として導入している企業の割合は 2022年の25.2%から2023年には41.8%へと、わずか1年で16.6%も増加しています。このことからも、サイト分析が広報活動の評価において重要な位置を占めつつあることがわかります。
サイト分析を行うことのメリットは何でしょうか? 一つは、自社のWebサイトのPVを明らかにできることです。企業のWebサイトを訪問する人は、その企業や商品に少なからず関心を持っている人たちと言えます。つまりサイトへの訪問者数が増加すること=企業の認知度や関心度が高まったことを示す重要な指標となります。
広報活動の結果としてサイト指標が伸びれば、広報活動の意義を客観的に示すことができるのです。
広報効果測定の3つのフェーズ
そもそも広報の効果測定は多岐に渡ります。考えられるすべてを網羅することが必ずしも正解とは限りません。どの効果指標が自社にとって適切か考えることが重要です。
その上で、広報活動の効果測定には、大きく分けて3つのフェーズがあります。
1. 活動量の報告(Phase 1):
配信数や電話数など、活動の量を報告するフェーズです。しかし、この段階はあくまで活動の数に焦点を当てており、活動の実質的な成果を示すことは困難です。
2. 活動成果の報告(Phase 2):
掲載数や拡散数など、活動の直接的な成果を報告するフェーズです。ここで問題になるのは「それが自社にどんな付加価値を与えるのか」を定量的に説明することが難しい点です。
3. 企業貢献の報告(Phase 3):
サイト流入の増加や売上・問い合わせの増加など、広報活動が企業にもたらした具体的な貢献を報告するフェーズです。このレベルに達すると「広報活動でこんな成果が生まれた」という成果を報告することができます。もちろん、会社にとって広報の価値も大きなものになるでしょう。
サイト分析は、この Phase 3 の「企業貢献の報告」を可能にする重要なキーです。サイトへの流入増加を具体的な数字で示すことで、広報活動の価値を経営陣に明確に伝えることができるようになります。
関連記事:広報・PRのKPIとは?目的から逆算して目標設定する方法【効果測定研究会レポート】
広報担当者が見るべき3つのサイト指標
サイト分析には多くの指標がありますが、広報担当者が特に注目すべき指標は以下の3つです。
1. 表示回数(PV数):記事露出によって、サイトの表示回数(PV数)にどのような変化があったかを見る指標です。これは最も基本的で重要な指標といえるでしょう。
2. 流入元:Google アナリティクス4(GA4)を活用し、どのメディアからサイトへの流入があったかを示す指標です。特定のメディアでの記事掲載後にそのメディアからの流入が増えていれば、その記事の効果を直接的に確認できます。
3. 指名検索数:Google Search Console(グーグルサーチコンソール)を使い、企業名や商品名での検索によるサイト流入に変化があったかを見る指標です。これは間接的ではありますが、広報活動による認知度向上を示す重要な指標となります。
これらの指標を適切に分析することで、広報活動の効果を具体的に示すことができます。
3つの指標の中で、最も重要かつ取り組みやすいのは1の表示回数(PV数)だと言えます。これは上層部への説明や、広報活動のビジネス貢献の証明に使える指標です。今後新たにサイト分析を行っていきたいという方は、ぜひPV数の計測から始めてみてください。
表示回数(PV数)の分析方法
表示回数(PV数)の分析には、以下のステップで行うのがおすすめです。
1. 表示回数の推移グラフ
Google アナリティクス4(GA4)を使用して、サイトの表示回数の推移をグラフ化します。これにより、広報施策実施後のPV数の変化を視覚的に確認できます。
2. 広報活動と照らし合わせる方法
Looker Studio の「タイムラインチャート機能」を活用し、広報活動の実施タイミングとPV数の推移を同じグラフ上で比較します。これにより、特定の広報施策がサイトのPV数にどのような影響を与えたかを直感的に理解することができます。
3. 広報活動によるものか判断する方法
相関分析の手法を用いて、サイトのPV数と記事の推定PV数の関係性を数値化します。この分析には Excel の相関係数計算機能を使用します。相関係数が0.4以上であれば「やや強い相関」、0.7以上であれば「強い相関」があると判断できます。
この3ステップで分析することで、広報活動がサイトのPV数に与えた影響を多角的に確認することができます。
セミナーの投影資料に詳細な設定方法を記載しているので、下記よりダウンロードいただき、あわせてご活用ください。
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当社のPRオートメーションは、サイト分析のために必要なデータが自動で簡単に収集できるPR専用ツールです。
相関分析を行う際の推定PVのほか、SNS上でのシェア数、編集/転載記事の比較などさまざまなデータをわかりやすく可視化でき、どの広報施策がサイトのトラフィックに影響を与えたかを直感的に把握することも可能です。PRの企画づくり、取材対応のタスク管理機能としてもお使いいただけます。興味のある方はこちらより資料請求・ご連絡ください。
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