広報コラム

広報・PR活動で競合分析を行う方法は?手法やメリット、活用方法を解説

広報・PR活動で競合分析を行う方法は?手法やメリット、活用方法を解説

広報・PR活動をする上で、競合他社の動向を把握することは非常に重要です。しかし目の前の業務に追われている中、なかなか競合分析まで着手できない、効率のいい分析方法を模索している、という方も多いのではないでしょうか。本記事では、明日から実践できる競合分析の方法を、WEBメディアとSNSに分けてご紹介します。

広報・PRの競合分析とは?なぜ必要

ライバル企業がどんな媒体でどんな露出をしているか、それを調べるのが広報・PRの競合分析です。競合分析をするだけで、広報活動の成功率や生産性は大きく変わります。
その理由は大きく分けて以下の二つだと当社では考えています。

  1. 業界のパブリシティ傾向を知れる
  2. 競合他社のパブリシティ量を知れる

それぞれ詳しく解説しましょう。

競合分析のメリット

1. 業界のパブリシティ傾向を知れる=業界のトレンドが読める
競合他社のパブリシティを調査することで、業界全体の最新トレンドや注目のトピックスが見えてきます。過去に競合が大きく報道された内容を調査することで、業界でどんな内容が掲載されやすいか成功事例を測ることができますし、逆に炎上した案件を知ることで「守りの広報」として知識を蓄えることにもつながります。
他にも、競合が掲載されているメディアをリスト化することで狙いたい媒体を選出するなど、さまざまな切り口から戦略を練ることができます。

2. 競合他社のパブリシティ量を知れる=目標とすべき数値が見えてくる
もう一つは、競合他社のメディア露出量を測ることで自社が獲得すべき露出数の目標設定ができるという点です。たとえば仮に、自社が過去最高となる30件の記事を獲得できたとしても、競合他社は毎月50件以上獲得していて、実は全然足りていなかった、ということが往々にしてあるためです。もし現状、算出した数値が競合に劣っているのであれば、それを一つの目標に活動するのもいいでしょう。

他社のパブリシティ量を測ることにはもう一つ大きなメリットがあります。「他社を比べて露出等が多い/少ない」というのは、広報業務に知見のない社員にも理解しやすい指標であるということです。「広報部って何してるのかよくわからない」こんなことを言われないためにも、シンプルな指標を持つことは重要です。

分析の手法|Share of voice(シェアオブボイス)

広報の競合分析においては、「シェア・オブ・ボイス(SOV)」と呼ばれる指標を活用するのがおすすめです。これは競合企業同士の露出量の割合を毎月比較していくというもので、元々は広告業界でよく使われており、「広告出稿量が多い企業がシェアNo.1」という業界特有の考えを見える化するために活用されていました。

分析の手法|Share of voice(シェアオブボイス)

SOVの時系列推移を見ることで、どの時期にどの企業の露出が増えているのか一目で把握できます。記事内容の分析によって、プレスリリースの出稿本数や取材対応力の差も見えてきます。

米国ではこのような定量的なマーケティング指標による競合分析が広報でも活用されており、一定の成果を出しているというデータもあります。一方、日本では広告換算額などの伝統的な評価がいまだ根強く、デジタル化が若干遅れている傾向があるようです。

一般的な競合分析方法(WEBメディア編)

それでは具体的な競合分析の方法を見ていきましょう。ここでご紹介するのはWEBメディアにおける競合他社との露出量比較の仕方です。TVや新聞、雑誌なども分析対象にできますが、クリッピングに工数とコストがかかるため、すぐに取り掛かれるWebメディアの例をご紹介します。

分析の手順
分析の基本的な流れは以下の4ステップです。

  1. 競合社を2〜3社リストアップする
  2. 各企業ごとの露出を集計する 
  3. 比較用のグラフを作成する
  4. 集計結果から不要な記事を取り除く

1. 競合社を2〜3社リストアップする
まずは自社と直接競合する2〜3社に絞ってリストアップしましょう。4社以上を人力で分析するのは大変な作業になります。

2. 各企業ごとの露出を集計する 
次に各社ごとの露出記事を集める作業ですが、一番簡単なのはシェア分析機能を備えたツールを使うことです。無料ツールを使う場合は、Googleアラートで各社名の新着記事をメールで受信する方法がおすすめです。各企業名を検索し、地道に記事を集計することもできますが、工数がかかるのであまりおすすめはできません。

Googleアラートの設定手順は以下の通りです。

【広報】Googleアラートの設定の仕方

3. 比較用のグラフを作成する
集めた記事URLは表計算ソフトに貼り付け、100%積み上げ縦棒グラフなどで可視化するとよいでしょう。その際、まとめサイトやキュレーションメディアなど、プレスリリースの転載のみの記事は除外します。

【広報】Googleアラートの設定の仕方

4. 集計結果から不要な記事を取り除く
自動集計で拾った記事の中には、不要な記事が入っていることがあります。ざっと見て関連の薄いものは削除しましょう。この「ざっと確認」作業で、他者状況を把握することにもつながるので重要な作業です。

一般的な競合分析方法(SNS編)

続いて、SNS上での企業アカウントの投稿状況を分析する方法をご紹介します。今回はX(旧Twitter)に限定して解説します。

SNSの分析は、ユーザーの検索行動の変化を考えると非常に重要性が増しています。多くの人が企業の製品・サービス情報を検索して情報収集するようになっているためです。一方、キーワードと無関係な話題の投稿や、事実と異なる投稿も含まれる可能性があるため、100%正確な数値を出すのは難しいことを念頭に置きましょう。

分析の手順

  1. 競合社を2〜3社リストアップする
  2. 各企業ごとのSNS投稿を集計する 
  3. 比較用のグラフを作成する
  4. 集計結果から不要な記事を取り除く

分析の手順はWEBメディア編とほぼ同じですが、「2. 各企業ごとのSNS投稿を集計する」が工程が異なります。無料で分析する場合の集計手順は以下の通りです。

【広報】X(旧Twitter)検索のし方

残念ながら、検索結果の膨大なポスト(ツイート)をコピペしようとしても、表示範囲外の非表示投稿はコピーできません。
ただし、Chrome拡張機能の「ついすぽ」を使えば投稿の一括ダウンロードが可能です。ツールを使えるのであれば、こちらの方が断然ラクです。使用方法の詳細は、ついすぽのchrome ウェブストアページをご参照ください。

投稿が集まったらWebメディア編と同様に比較用のグラフを作成し、ノイズを削除して精度の高いリストに近づけましょう。

競合分析結果の活用法

このように集めたデータをどう活用するのがいいでしょうか。
ぜひ月次の広報レポートにSOVの推移を組み込んでみてください。自社の獲得件数だけでなく、競合他社との比較によって相対的なポジションが明確になり、広報の成果として評価されるポイントになります。

【広報】競合分析結果の活用法

こちらの記事もおすすめ:評価につながるレポートの作り方

加えて、他社の特筆すべき露出や炎上案件もピックアップしましょう。競合各社の動向を知ることで、自社の強みを再確認したり新たな施策のヒントを得られます。 
次月以降の広報活動にも、SOVを目標設定として取り入れてみましょう。リリース本数や掲載メディアとの関係性など、PDCAサイクルを回す上で役立つデータが得られるはずです。

分析の最初の一歩はデータを集めるところから

最後に要点をまとめると以下の3点です。

  • 競合分析で、業界の露出動向や競合のPR戦略を知ることができる
  • WEBメディアの記事集計はGoogleアラート、SNS分析にはX(Twitter)検索がおすすめ
  • 分析結果を当月の振り返りと次月の目標設定に活用しよう

競合分析はライバル対策だけでなく、自社の強みを再認識するためにも重要な取り組みです。ぜひ今日からトライしてみてください。
分析を行う際は、たくさんのデータを持っていることが前提条件になります。広報活動を行うなら、「より多くのデータを保有する」「保有したデータを活動に活かす」ぜひこの2点に着目してみてください。

PRオートメーションにはリリース配信に紐づいて、リリースの開封率やリレーションまで大量のメディアデータの進捗・結果など、さまざまなデータを取得することができます。競合分析ができる機能もオプションで搭載されているので、広報活動における分析にお悩みの方は一度ご相談ください。

現在、本記事をわかりやすくまとめた資料を無料でプレゼントしています。自社での活動にお役立てください。(読了目安5分)

  1. 競合分析のメリット
  2. 一般的な競合分析方法(掲載編)
  3. 一般的な競合分析方法(SNS編)
  4. 分析結果の活用法
  5. PRオートメーションを使ったカンタン競合分析

資料では分析の手法について、さらに細かい作業を説明しています。併せて情報収集・分析にお役立てください。

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