広報コラム

ひとり広報が成果を生むための仕事術とは?データ蓄積のステップと運用のコツ

4/3、プラップノード株式会社(以下プラップノード)と株式会社dydxが共催で「ゼロから始める!成果を生むひとり・兼務広報の運用とは?」と題したWebセミナーを開催しました。
セミナーの後半パートでは「データの蓄積で変わる広報の未来」と題し、PRプランナーでありコンテンツマーケターでもある当社の桃井が「ひとり広報×データ」の重要性について紹介しました。この記事では後半セッションを中心に内容をまとめます。

セミナーのアーカイブはこちらからご覧いただけます。

登壇者

桃井 克典(もものい かつのり)
プラップノード株式会社 コンテンツマネージャー 

2013年プラップジャパン入社。PRコンサルタントとして、BtoC・BtoB問わず様々な企業・自治体の広報業務に従事。リリース配信、メディアアプローチにとどまらず、イベント、SNS、動画、Webサイトなど様々な手法を通じた戦略立案・実行を担当。2020年よりPRオートメーションのマーケティング担当として、Webサイト、ウェビナー等で広報活動効率化のヒントを発信している。

ひとり広報こそ「データ」を味方に

ひとり広報や兼業広報をされている方は、限られたリソースで効果的な活動を行うことが求められ、苦心されるケースが多いかと思います。人数が少ない組織こそ、いかに広報データを蓄積できるかが明暗を分けると思われます。

少人数の広報になぜデータが重要なのか?それは、活動を行うにあたってのアンカー(錨)の役割を果たすのがデータだからです。広報の業務は多岐に渡る上、人数が少ないとあっては無駄な試行錯誤に時間を費やすこともできません。業務を効率化し、少ないリソースで成果を出すカギとなるものが必要です。当社ではそれこそがデータだと考えています。

広報が蓄積すべきデータとは

では、いったいどんなデータを蓄積すればいいでしょうか?広報の保有するデータというとメディアリストを想像する方も多いかもしれません。それも大事ですが、最も重要なのは「リリース発信から掲載に至る過程のデータ」です。具体的には、

  • リリースの配信数
  • 記者のメール既読率
  • メディアにアプローチした回数
  • 露出数

など、発信から掲載に至る一連の流れの中で発生するデータを集めることが重要です。これは広報部が何を行い、それがどんな成果を出したかを数値で表すものでもあります。
メールの既読率などのデータを取得する方法は、当社のPRオートメーションを始め、デジタルツールを導入すれば簡単に可視化することができます。

収集したデータを具体的にどう活用する?

広報戦略に活かす

データを収集したあとは、それをもとに分析を行います。分析といっても難しいことをするわけではありません。リリースに対して、どのメディアのどの記者がメールを読んでくれたのか、添付資料をダウンロードしてくれたのかという情報だけでも、自社に関心を持っているメディアがわかります。開封率の高かったリリースはどんなところが良かったのか、逆にあまり読んでもらえなかったリリースに共通する特徴はあるか?数字をもとにすればさまざまなことが明らかになり、広報として次に打つ手や改善案を実際的に考えることができます。

目標設定に活かす

データを収集することで、納得感のある目標を設定することにも役立ちます。この目標設定と広報戦略をセットで捉えることで広報活動の濃さがグッとあがるはずです。

データがない状態だと、配信数や掲載数、広告換算のような数値だけを追いがちになってしまうことがあると思います。また「〇年〇月が最高の掲載数、広告換算額だった。今年はさらに上を目指そう」といった、曖昧な目標のみの指標になってしまい、活動の目的が見えないということも往々にしてあるのではないでしょうか。
すると何よりも「掲載量」を目指す広報活動になってしまいがちです。暗中模索の活動をするといった状況を生まないためにも、合理的な目標設定は本質的な広報活動に欠かせないものと言えます。

目標設定の際のポイントは、過去の数字はいったん脇に置いて考えることが重要です。広報活動は奥が深いので、突き詰めればさまざまな要素が関係してきますが、複雑に考えすぎて基本を置き去りにしてしまいがちです。まず、ステークホルダーにどう思われたいかを言語化し、そのためにはどのメディアにどのように掲載されるべきか考えましょう。

①ステークホルダーにどう思われたいかを言語化する
②そのためにはどのメディアにどのように掲載されるべきか考える

上記の2点さえしっかり押さえられれば、目標は自ずと見えてくるのではないかと思います。

目標設定のケーススタディ

たとえば、ある架空のクラフトビールのメーカーをイメージしてみましょう。「こだわりの製法で業界内では好評、だがクラフトビールのブームも沈静化して話題性や露出が減少傾向、新ラインアップも続々予定しており戦略を考える必要がある」という想定で考えてみます。
まずは「どう思われたいか」の言語化です。難しいものでなくても、ざっくりでもかまいません。まず書き出してみるのが重要です。

「どう思われたいか」が決まると、目標設定がしやすくなります。目的が定まるので逆算して方法を考えればいいわけです。
人気のコラムニストが書いている雑誌連載に掲載されると若年層の間で話題になりやすい、このライフスタイル系のWebメディアはネットで拡散されやすい、など、商品と親和性のありそうなメディアをどんどん挙げていきます。それができたらこのWebメディア/雑誌/テレビなど、それぞれのチャネルで何件の掲載を獲得したい、という数字を考えます。
前述しましたが、目標数値を設定するときは昨年の平均値を取るのがおすすめです。最高値更新に設定してしまいがちなところですが、現実的ではない場合もあります。昨年のデータがない場合は、数値設定をしなくても構いません。その場合は、あくまで来年の目標の設定のためにやっているという意識で挑みましょう。

このように、データの蓄積があると「自分たちの行った広報活動の結果」「そのプロセスでどんなことを行ったか」「目標との関係」を客観的に評価することができ、ただ闇雲にメディアリレーションをし続ける、といった状態から一歩進んだ活動に注力することができます。

データ集計&活用を楽に

当社の「PRオートメーション」はデータ収集や分析を支援する広報専用のオールインワンツールです。
効果測定だけでなく、リリース作成・配信、クリッピング、メディアリスト管理、タスク管理、競合他社の露出状況など広報業務全般をサポートします。興味のある方はお気軽に資料請求・ご相談ください。

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