当社では、広報担当者の方向けに有益なオンラインセミナーを毎月開催しております。今回は2025年に向けた主要なトピックスと、それらを活用した効果的な広報戦略について解説した「押さえておきたい!2025年の広報トピックス」の一部を抜粋し、内容を解説します。
登壇者
桃井 克典(もものい かつのり)
プラップノード株式会社 コンテンツマネージャー
2013年プラップジャパン入社。PRコンサルタントとして、BtoC・BtoB問わず様々な企業・自治体の広報業務に従事。リリース配信、メディアアプローチにとどまらず、イベント、SNS、動画、Webサイトなど様々な手法を通じた戦略立案・実行を担当。2020年よりPRオートメーションのマーケティング担当として、Webサイト、ウェビナー等で広報活動効率化のヒントを発信している。
未来を見据える広報活動の重要性
広報パーソンに必要な資質として「未来を見据える」視点があげられます。特に、記者やメディアとのコミュニケーションにおいて、この視点は欠かせません。
記者の興味対象は、近い将来話題になりそうな情報や、今後社会の関心が高まりそうなテーマです。このため、広報担当者は常に先を読み「これから話題になりそう」「近々関心が高まるだろう」というトピックスを予測し、それに関連する自社の取り組みや見解を準備しておくことが重要です。このような先見性のある情報提供は、記者の興味を引き、掲載の可能性を高めることにつながるからです。
また、未来を見据えた広報活動には、他にも多くのメリットがあります。
たとえば、年間カレンダーの作成が容易になり、計画的な情報発信が可能になります。さらに、社内からの情報収集もスムーズになり、より質の高い広報活動を展開できるようになります。
把握しておくと役立つ6つのカテゴリ
2025年に向けて広報活動を効果的に行うために、下記のようなカテゴリにアンテナを張っておくことをおすすめします。
今回は、「法改正」「記念日・祝日」「国内(2025年問題)」の3つに絞って解説します。
2025年の法改正と広報戦略
2025年に予定している主な法改正としては、育児介護休業法の改正、雇用保険法の改正、高年齢者雇用安定法の経過措置終了などが挙げられます。これらの改正は、働き方や雇用環境に大きな変化をもたらす可能性があります。
これらの法改正が自社にどのような影響を与えるかを分析し、その対応策を準備することが企業にとっては重要です。
たとえば、育児介護休業法の改正に伴い、テレワークや短時間勤務の選択肢が拡充される場合、それによって生じる可能性のあるチーム連携の課題とその解決策を提示することができます。
このような情報を広報の立場から積極的に発信することで、自社の先進的な取り組みをアピールし、メディアの注目を集めることができます。また、法改正に関連する情報は、社会的関心も高いため、掲載される可能性も高くなります。
記念日・祝日を活用した効果的な情報発信
記念日や祝日は、広報活動において有効なフックとなります。
たとえば国民の祝日については、2025年は振替休日が2日少なくなるという特徴があります。この点を活用し「振替休日サポート」「特別休暇サポート」などといった福利厚生施策を打ち出すことで、注目を集めることができるかもしれません。
また、業界団体や協会が定める記念日も、広報活動のチャンスです。「猫の日」や「肉の日」などは、多くの企業が参加しやすい記念日といえます。これらの日に合わせて、自社の製品やサービスに関連したキャンペーンや新製品発表を行うことで、メディアの注目を集めやすくなります。
さらに、国連が定める国際デーも、社会貢献活動や企業の取り組みをアピールする良い機会です。たとえば、「国際女性デー」や「世界環境デー」などに合わせて、自社の関連する取り組みを発信することで、企業の社会的責任(CSR)活動をアピールすることができます。
「2025年問題」と企業の対応
2025年には、いわゆる「2025年問題」と「2025年の壁」という2つの大きな課題が注目されています。これらの課題に対する自社の取り組みや対策を積極的に発信することで、企業の先見性や社会への貢献をアピールすることができます。
「2025年問題」は、人口の約20%が75歳以上になることで生じる様々な社会的課題を指します。この問題に対して、企業としてどのような対策を講じているかを発信することが重要です。
たとえば、75歳以上の従業員のための新たな雇用制度や福利厚生の導入、若手社員の介護休暇制度の拡充、労働力減少に備えた業務効率化ツールの導入などが考えられます。
一方、「2025年の壁」は、多くの企業で使用されている古いシステムやツールによって生じる可能性のある問題を指します。この課題に対しては、全社的なシステム見直しの方針や、新たなITツールの導入による業務改善の事例、IT人材の採用拡大などの取り組みを発信することができます。
これらの問題に対する自社の取り組みを積極的に発信することで、企業の社会的責任感や先進性をアピールし、メディアの注目を集めることができるでしょう。
データドリブンなPR活動がカギに
このような未来予測の視点に加え、過去の配信実績やメディアの反応を分析することで、より効果的な情報発信のタイミングや内容を予測することもできます。
たとえば当社のPRオートメーションを使えば、特定の記念日に関連する記事がどの程度注目されたかを過去のデータから分析し、次年度の戦略立案に活かすことができます。
このようなデータドリブンアプローチを取り入れることが、広報活動の効果を最大化し、より戦略的で効率的な情報発信を実現することにつながります。社内に対しても広報活動の成果を客観的な数字で示すことができるようになり、広報部門の重要性をより明確に示すことができるようになるはずです。
本コラムでは、セミナーの内容の一部を抜粋してご紹介しました。
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