SNSプラットフォームが多様化する中、どのSNSをどのように活用すればよいのか悩む広報担当者も多いのではないでしょうか。
この記事では、デジタルマーケティングの支援をするプレシジョンマーケティング社と共催で行ったウェビナー「徹底解説!広報担当のための目的別SNS活用」より、前半の講演「広報・マーケ部門の目的別SNS活用術」の内容を再編集してお届けします。
登壇者
桃井 克典(もものい かつのり)
プラップノード株式会社 コンテンツマネージャー
2013年プラップジャパン入社。PRコンサルタントとして、BtoC・BtoB問わず様々な企業・自治体の広報業務に従事。リリース配信、メディアアプローチにとどまらず、イベント、SNS、動画、Webサイトなど様々な手法を通じた戦略立案・実行を担当。2020年よりPRオートメーションのマーケティング担当として、Webサイト、ウェビナー等で広報活動効率化のヒントを発信している。
主要プラットフォームの特徴と利用傾向
まず、日本における主要SNSの現状について解説します。
2024年の最新データによると、Instagram(約3,300万人)、X(旧Twitter、約4,500万人)、Facebook(約2,600万人)、TikTok(約1,700万人)が主要プラットフォームとして挙げられます。
年代別の利用率を見ると、XとInstagramは若年層から大人世代まで幅広く利用されています。一方、TikTokは若年層の利用が特に多い傾向にあります。Facebookは依然として大人世代での利用が主流です。
新興プラットフォームとしては「Discord」と「BeReal」が挙げられます。Discordは音声コミュニティを中心としたサービスで、主にゲームや音楽関連のコミュニティで人気です。BeRealは「盛らないSNS」として注目を集めており、1日1回の通知に合わせて日常の瞬間を共有するという独自のコンセプトで若者を中心に支持を得ています。いずれもその特徴などから、企業の参入は少ないプラットフォームです。
SNS活用の3つの目的|認知獲得、興味促進、集客・誘客
SNSを効果的に活用するためには、明確な目的設定が不可欠です。広報活動におけるSNS活用の目的は、大きく「認知獲得」「興味促進」「集客・誘客」の3つに分類できます。
これらの目的に対して、SNSでのアプローチ方法は主に「自社発信」「広告運用」「第三者拡散」の3つがあります。
自社発信は時間はかかりますがコアなファンを育てられる可能性があります。広告運用は即効性がありますが、コストがかかります。第三者拡散は狙いづらいものの、成功すれば高い信頼性を得られます。
認知獲得のためのSNS戦略|フォロワー外へのリーチを最大化
認知獲得の鍵は、いかにフォロワー外の人々の目に触れるかにあります。そのための効果的な方法として、以下のアプローチが挙げられます。
特に注目すべきは、サブアカウントとショート動画の活用です。
例えば、外務省の「MofajapanI」アカウントは、堅いイメージの外務省の情報を柔らかく発信し、若い世代へのアプローチに成功しています。またショート動画は、フォロワー以外のユーザーにも表示されやすいため、新規ユーザーの獲得に効果的です。
興味促進のためのSNS運用|アルゴリズムを理解した戦略的アプローチ
興味促進、つまりファン作りやブランドイメージ向上のためには、公式アカウントの戦略的な運用と第三者による拡散が重要です。特に注目すべきは以下の3点です。
1. アルゴリズムを理解した投稿:各プラットフォームの特性を理解し、エンゲージメントを高める投稿を心がける
2. ニュース記事の拡散:自社に関するニュース記事のSNSシェアボタンが押される数を増やす
3.ファンによる投稿の拡散:自社発信の投稿に対し、フォロワーがシェアボタンを押す数を増やす
特に記事の拡散は、広報活動の効果を測る新たな指標として注目されています。記事についたリツイートやシェアの数(「バズ数」)は、実際に記事を読んで行動を起こした人数を示すため、広報活動の影響力を直接的に測ることができます。
バズ数の評価基準として、1回でもシェアされれば上位30%に入るとされており、10回以上のシェアは非常に優秀な結果と言えます。この指標を活用することで、より効果的な広報戦略の立案が可能になります。
集客・誘客のためのSNS活用|明確な動線設計がカギ
集客や誘客を目的としたSNS活用で肝となるのは「いかにフォロワーを実際のアクションにつなげるか」です。そのためには、投稿から最終的な目的(ウェブサイト訪問、会員登録、商品購入など)までの道筋を明確に設計する必要があります。
上図のように、単なる情報発信にとどまらず、戦略的な動線設計と継続的な改善を意識する必要があります。各施策を組み合わせながら、自社の状況に最適な方法を見つけ出していくことがカギとなるでしょう。
SNSを味方につける
SNSを単なる発信ツールとしてではなく、ステークホルダーとの対話や関係構築の場として捉え、長期的な視点で活用していくことがこれからの広報活動において欠かせない視点です。
今回ご紹介した「目的別アプローチ」を参考に、自社の状況やターゲットに合わせた最適なSNS戦略を構築してみてください。
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