広報コラム

【広報】2024年の報道総括と2025年のトレンド予測 〜データで見る効果的なPR手法〜

デジタルメディアの発展により、企業の広報活動は大きな転換期を迎えています。本記事では2024年のさまざまな広報トレンドを振り返るほか、データから読み解く2025年の効果的なPR手法について解説していきます。

この記事は当社で開催したセミナー「広報における2024年の総括と2025年の予測~押さえておきたい報道傾向とリスクマネジメント~」の後半パートを再編集したものです。※掲載情報は2024年12月上旬時点のもの。

登壇者

桃井 克典(もものい かつのり)
プラップノード株式会社 コンテンツマネージャー

2013年プラップジャパン入社。PRコンサルタントとして、BtoC・BtoB問わず様々な企業・自治体の広報業務に従事。リリース配信、メディアアプローチにとどまらず、イベント、SNS、動画、Webサイトなど様々な手法を通じた戦略立案・実行を担当。2020年よりPRオートメーションのマーケティング担当として、Webサイト、ウェビナー等で広報活動効率化のヒントを発信している。

2024年、どんな記事がバズった?注目を集めた広報手法

2024年、SNSで拡散された記事(※)は「プレゼント企画」でした。Webメディアのコスメのプレゼント企画のほか、ゲーム機器などのプレゼントで公式アカウントのフォロー、リポストを促進する施策が目立ち、プレゼント企画は依然として高い反響を得られることが示されています。
(※「Buzz News Analyzer(バズ ニュース アナライザー)」による調査結果)

また、「マルハラ」(LINEでの丸付けによるハラスメント)といった新たに顕在化した社会課題は、賛否が分かれるためSNS上で大きな話題となりました。

企業製品に関連したところを見ると、お菓子のパッケージに人の名前を印字した商品の発売が話題となりました。「自分の名前はあるだろうか?」という興味を引かせる情報発信として注目を浴びています。

【広報】2024上半期、SNSで記事った企業のバズ記事ランキング

法改正や記念日を活用した情報発信

法改正に関連づけた情報発信は、広報企画を立案するにあたって重要な手法の一つです。施行の3〜4ヶ月前と1ヶ月前に情報発信のピークが来る傾向が見られました。2024年は交通法、商標法、金商法に関する話題が特に注目を集めました。

同様に記念日も広報の施策として活用が期待できます。記念日を活用し企画を考える際は、企業(他社)が独自で制定したものではなく、国連が制定する国際デーなどの活用がおすすめです。企業による記念日はマーケティング活動の一環であることが多く、より純粋な社会貢献として認識されやすい国際デーと関連づけるのがベターと言えます。

国連制定記念日に関連した情報発信は広報施策として効果的!数も豊富

生成AIを関連した情報発信も

昨年から引き続き話題を集めている生成AIに関連付けた露出も全体として右肩上がりで増加傾向にありました。

生成AIのブームは去ったと言われるものの、実際の露出記事は増加傾向。今後もAIの信頼性向上や誤情報対策が注目される見込み。

「時間削減効果」や「業務効率化」に関する具体的な導入事例が、高い関心を集めているほか、生成AIを事業活動・コンテンツ作成に活かし、企画力で掲載を獲得しているケースも見られました。2025年も、生成AIの信頼性向上や誤情報対策に関する話題が増加すると予測されています。

振り返りをどう生かす?

このような過去の掲載を振り返る際に念頭に置きたいのは「再現性」を意識することです。他社の成功事例を参考にする際も、自社の文脈に置き換えて活用できる要素を見極めることが肝要です。法改正や記念日、社会課題についても、さまざまな外的要素、自社の資産と組み合わせた戦略的な情報発信を行うことがベストです。

広報施策の好例!自社の広報戦略で活用できる点はないか見出そう。

2025年に向けた重要な広報トピックス|「2025年問題」「2025年の崖」

2025年、特に注目すべきは「2025年問題」です。人口の約20%が75歳以上となることで、さまざまな社会的影響が予測されている問題です。

また「2025年の崖」として、20年以上活用している企業システムの更新問題も浮上しています。これらの課題に対して、企業がどのような対応や支援を行うかという情報発信が、メディアの注目を集めると予測されています。

2025年の重要広報トピックス「2025年問題」「2025年の壁」問題。

物価上昇時代における広報戦略

2025年も継続が予測される物価上昇に関連して、企業の対応施策が注目を集めています。具体的には、価格凍結宣言、増量キャンペーンによる実質的な値下げ、節約術セミナーの開催、従業員へのインフレ手当支給など、具体的な対策を示す企業の情報発信が期待されると予測できます。

2025年も引き続き物価上昇の話題は注目を集める見込み。広報の情報発信につなげれば掲載チャンス。

2025年の広報活動に向けて

過去の振り返ることは掲載の傾向を測り、自社の情報発信に活かすことにつながります。同様に未来を把握することは、掲載確度が高い発信時期のタイミングを予測する、社内で情報を集めて準備を進めること、広報の年間計画を立てることに役立ちます。
2025年は、特に社会構造の変化や技術革新に関連した話題が注目を集めると予測されます。それらに対する企業の取り組みや姿勢を効果的に発信することが、いま広報に求められていると言えるでしょう。

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