マーケティング出身者が広報部門で輝くためのステップ

企業の組織変更や業務の多様化に伴って、マーケティング部から広報部に異動したり、マーケティングと広報を兼任しているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

マーケティング出身特有の”データを基にした定量的な考え方”は、大きな強みになる一方で、広報の独特な文化に馴染むのに少し時間がかかる場合もあります。

本記事では、マーケティング出身の広報担当者が自身の強みを活かすために必要な知識・スキルを紹介し、それらがどのように広報活動に貢献できるのかを解説します。広報の目的や文化を理解したうえで定量的な視点を取り入れ、ぜひ広報部に変化をもたらしましょう。

1. 広報とマーケティングの「目的」の違い

まず、目的の違いについて考えてみましょう。

広報の目的は、主に認知度向上やイメージ向上。ステークホルダーとの関係作りに重きをおきます。マーケティングはというと売上や利益向上であり、データや結果を細部まで追求する傾向があります。

目的が違うと達成度を測る効果指標にも違いが生まれます。

広報は”関係作り”というものを重視することから、定性的な指標で評価することが多いです。例えば記事の質や影響力・認知度などで、これらは数値化が非常に難しいです。一方でマーケティングではROI、ROAS、CTR、HPのトラフィックなど、数値化がしやすい定量的な指標で評価しています。

つまり、広報とマーケティングでは”データに基づいて評価する”という文化の浸透度に差が生じているのです。その差がマーケティング出身の広報担当者を戸惑わせているのではないでしょうか。

2. 広報における課題 -成果の数値化-

定量的なデータに基づいた考え方ができない場合、次のような課題が発生することがあります。

効果測定の難しさ: 
定量的なデータが不足していると、活動の効果を正確に把握することや、わかりやすく評価することが困難です。その結果、他部門や経営陣に対して活動の価値を感じてもらいづらくなります。

重要メディアが見極めにくい: 
自社にとって重要なメディアはどこなのか?をデータをもとに十分に分析・研究出来ないと、結局やみくもなメディアアプローチに終始してしまう事があります。これにより、効率的に情報をターゲットに届けることが困難になります。

競合分析の限定性: 
定量的なデータが不可欠な”競合分析”や”業界動向”が出来ず、自社のポジショニングを把握できなくなります。そのため適切なメッセージが打ち出せず、効率的な広報活動からも遠ざかってしまいます。

このような課題を考えると、広報においてもデータの活用は重要なものであると考えられるのではないでしょうか。データ活用を取り入れることは正確で効果的な判断ができるようになり、よりよい広報活動・効果測定・競合分析などができるようになります。

3. 広報効果測定の主要指標

実は、広報においてもデータの取得は十分に可能です。ただし、広報効果を測る指標は非常に多いため、「行動指標」「成果指標」「インパクト指標」の3つのカテゴリーに分類し、それぞれ自社に合う指標を設定していくことをオススメしています。

行動指標とは?
広報活動の”行動量”を表す指標で、成果を上げるために取り組んでいることを見える化するために測定します。

成果指標とは?
文字通り広報活動によって生まれた”成果”を表す指標で、行動量に対してどれだけの成果を得られたかを見える化するために測定します。

インパクト指標とは?
会社の経営課題にどう貢献したかを表す指標で、広報活動が経営に与えた影響を見える可するために測定します。

これらの中から自社に合った指標を選定し、継続して収集・分析していくことが重要です。

4. マーケティングの知見のある広報担当者の強み

このように、広報においても定量的な効果測定・成果評価につなげられる指標はたくさんあります。そこで、マーケティングバックグラウンドを持つ広報担当者は、データを活用した戦略立案や分析スキルに長けていることから以下のような場面で強みを活かすことができるでしょう。

データ活用のアプローチ:
マーケティング出身の広報担当者は、デジタルツールの活用やデータに基づく意思決定に慣れているため、前段で挙げた指標を活用することで、現状の広報活動の効果測定を大幅にアップデートさせることができます。

デジタルテクノロジーの理解:
デジタルマーケティング領域で培った、プラットフォームやツールへの適用能力は、非常に重要なスキルです。広報においてもデジタルテクノロジーを取り入れることで、広報活動をリーチとインパクトを最大化させ、目標達成に直結する活動ができます。

パフォーマンス測定と最適化:
マーケティングの経験から、各施策のパフォーマンスを定量的に、定期的にそくていしているため、その結果によって戦略を柔軟に変化させることに長けています。これにより、広報活動が予定通りに進行しているか、または改善が必要な場所を特定することができます。

これらの強みを活かし、マーケティング出身の広報担当者は、企業広報やブランディングに大きく貢献できることでしょう。

5. さらに磨くべきスキル

マーケティング出身の広報担当者は、その強みをより活かすためにも、広報特有の文化や特性を理解し、必要なスキルを磨くことも重要です。以下に、磨くべきスキルの一部をご紹介します。

メディアリレーション: 
 広報担当者には、メディア・記者と良好な関係を築き、維持する能力が求められます。記者との良好な関係は、タイムリーで正確な情報を伝えることで可能になります。そうすることで、新製品やサービスの発表、危機管理など、企業が直面するさまざまな状況で役立ちます。

発信する情報のストーリー作り
話題化するニュースの裏型にはストーリーがあります。近年のメディアは、読者に共感して貰えるかを重要視しており、記者はストーリーの有無に興味を持っています。そこで、その情報にはどんな背景があったのか、どんな未来を目指すのか、など企業のビジョンや価値を絡めたストーリー作りのスキルが重要です。

チームワークとコラボレーション力:
広報活動は多くの場合チームで行われます。リリースの作成、メディアからの問い合わせ対応、取材アレンジ、記者発表会の企画進行など広報業務は多岐に渡るため、チームメンバーとの協力は不可欠です。マルチタスクをこなしながらチームメンバーへの気配りも怠らずに業務を推進する力が求められます。

これらのスキルを磨くことで、広報活動においてより効果的な結果を生み出し、企業の成長に大きく貢献できるでしょう。

6.まとめ

マーケティングに知見を持つ広報プロフェッショナルは、データドリブンな広報戦略が今後ますます重要になる状況の中で、その強みを活かせる立場にあります。それは、広報業界の変革に大きく貢献できる特別な存在です。

文化の違いに負けずにデータ解析や効果測定を積極的に取り入れて、広報活動の効果を最大化し、企業や組織のブランディングや収益向上に貢献していきましょう。

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