当社では、各業界/特定の企業のWebメディアにおける記事がSNSでどの程度シェアされているかを調べ、どのような内容の記事がどのような形で注目を集めているか、その傾向を分析しています。この記事では不動産業界に注目。2023年にWebメディアの掲載された2万以上の記事の中から上位100の記事を抽出し、切り口やSNSでの拡散構造を解説します。
【分析対象】
・対象期間:2022年11月~2023年11月
・対象メディア:主要500メディア
・対象記事:シェア数TOP100にランクインしていた記事
・取得キーワード:「不動産」「マンション」「戸建て」「住宅」「オフィスビル」「都市開発」「複合施設」「商業施設」
調査方法について
調査には、当社のPRオートメーションに搭載された「Buzz news analyzar」を利用します。これは、主要なウェブメディアの記事から年間250万件以上のデータを収集・分析しており、記事の注目度やトレンドを把握することができるもの。簡単に言うと、記事がSNSでどれだけシェアされたかを可視化できる機能です。
この機能を活用することで、他社のヒット記事を参考にする、業界記事のトレンドを把握する、どのメディアがどんな記事を書いているのかざっくり傾向分析する…など、さまざまな切り口から広報企画のアイデアを出すことに使っていただきます。
企業リリースやPR活動がメディアによって記事化されても、その記事が実際にユーザー(顧客)にどの程度読まれているか、広報の立場で知ることは困難かと思われます。
そこで当社では、記事がどの程度ユーザーに届き、どれくらい話題になったのか測る効果測定の指標の一つとして、SNSにおける拡散数=バズ数を重要視しています。
不動産関連記事バズ数TOP10
では、実際にどんな記事がユーザーに届き、話題になったのか見ていきます。今回注目した不動産業界関連の記事に関して、バズ数TOP10記事を抽出しました。※記事は企業の商品や今後のビジネス展開、ステークホルダーが関心を持っている事柄という観点からピックアップしています。
1位の川口市のニュースは、朝日新聞デジタルの記事がlivedoor NEWSに転載され、X(旧Twitter)で大きく拡散されたもの。朝日新聞デジタル以外にも多くの全国紙が取り上げた話題です。各記事では2024年問題を背景に、ドライバーの負担軽減策の一環であるとして取り上げられ、各SNSでも概ねポジティブに受け止められた印象でした。
その他、住宅やマンションの危機管理トピックスや、老舗大型書店の閉店、大規模再開発など、一般消費者にとって身近な話題が俎上に載った形となりました。
FacebookとXの割合で見ると、トップ10はXによるバズが目立ちます。一方で、下記の記事はFacebookで大きなバズを記録。今回の調査では、Facebookでは新規性のある地域ニュースが拡散される傾向が見られました。
4象限で見る主要メディア
次に、バズ数TOP100にランクインした記事をWebメディア別に4象限のグラフ化しました。横軸は業界における記事数の数、縦軸はバズ効率を表したものです。オレンジの部分は記事数が多く、その中でもさらにバズの高い記事が多かった媒体です。同様に、青の部分は記事数は少ないもののバズ効率の高い媒体という風に見て取れます。
これによると赤枠の「東京新聞 TOKYO Web」や「朝日新聞デジタル」、「読売新聞オンライン」など、ニュースに強い新聞社のWebサイトが、記事数が多くバズ効率も良いという結果になりました。
一方、青枠の「西日本新聞Web」をはじめとした地方新聞社メディアは一見バズ効率が悪いように見えます。しかし、Yahoo!ニュースやlivedoorといった大手ポータルサイトに転載され拡散される例が多いこともわかりました。リリースの結果をバズという観点から定点観測することで、自社にとっての重要媒体を浮き彫りにすることができそうです。
その他の記事から見る特色
続いて10位以下の記事を見てみると、業界における人手不足などの社会問題を扱った記事や、冬場の火災防止情報など時事性(季節性)の高い記事が高いバズを記録しました。また、都市開発や複合施設といった文脈の記事では、ゲーム作品や博物館とのコラボレーションも注目されています。これらは各社の調査リリースなどでも応用できる内容といえそうです。
さらに注目を集めたのは3Dプリンター住宅の話題です。8月にテレビ番組で取り上げられたことを皮切りにWebメディアでも数多く取り上げられ、その新規性からSNSでもさまざまな意見が飛び交いました。このように今後キャッチアップしていきたい業界のトレンドや消費者の話題をバズから分析することも可能です。
まとめ
不動産業界を軸に、SNSにおけるシェアを獲得した記事を見てきました。記事のポイントをまとめると以下の通りです。
- 2024年問題など、人手不足など、社会性のある話題が背景にあるニュースが大きなバズを獲得した
- 不動産業界の話題と、新聞Webメディアとの親和性の高さが明らかになった
どの記事でも、リリース作成の不可欠要素である「社会性」「時事性」「新規性」、または「地域性」を盛り込んでいる点が共通項であると言えます。
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