
「総選挙」と聞くと政治を連想しますが、企業広報における“総選挙”は、商品・キャラクター・エピソードなどを対象に、ファンの“推し”を決める参加型キャンペーンを意味します。
実はこの総選挙、広報担当者にとっては「ユーザーの声」を活かしたPR施策として非常に相性がいいんです。「推しフレーバー」「復刻してほしい商品」「感動したシーン」などをテーマに、SNSを中心に盛り上がりを創出する仕掛けとして、近年急増中。
なぜ「総選挙」が注目されるようになったのか?
| 年 | 出来事 | 補足 |
|---|---|---|
| 2010年代 | AKB総選挙で「投票=応援」という文化が浸透 | 消費行動とファン心理の可視化が話題に |
| 2020年以降 | 企業・自治体の「〇〇総選挙」施策が拡大 | 商品復刻・人気企画などの“ファン投票型企画”が定着 |
| 2025年 | アニメ・食品・ゲームなどジャンル問わず「総選挙」が常套手段に | アニバーサリーや記念日に合わせた施策が多数登場 |
企業が行う投票企画は「投票」=「共感の証」だからこそ、ファンを巻き込みやすい施策となっています。
データで見る「総選挙」の盛り上がり
「PRオートメーション」の2025年上半期メディア分析によると、“総選挙”をテーマにした記事は2025年5月に急上昇。最もバズったのは5月9日公開の【サーティワン「推しフレーバー総選挙2025」】。
ピーク:5月初旬(アイスクリームの日)
アイス復刻投票企画×記念日発表という“2軸構成”が功を奏し、バズ数18,584を記録。

今後も、季節感・記念日・復刻商戦にあわせた「総選挙型企画」がトレンドを牽引すると見られます。
バズった施策トップ3
① サーティワン「推しフレーバー総選挙2025」
概要:ファン投票で選ばれたフレーバーを期間限定で復刻販売。アイスクリームの日(5/9)に結果発表。
バズ要因:
・復刻という“購買行動”につながる明確なゴール
・「アイスクリームの日」に結果発表で記念日と連動
・SNSで「推しフレーバー」投稿が自然発生
② Key総選挙2025
概要:ゲームブランド「Key」創立25周年記念。キャラ・楽曲・名シーンの4部門で投票。総投票20万超。
バズ要因:
・“周年×総選挙”の掛け合わせ
・多部門制で参加機会が広くSNS上でシェアが活性
・結果を生放送で発表し、リアルタイム性と臨場感を演出
③ モンハン「モンスター総選挙」
概要:長寿ゲームの人気モンスター総選挙で「ネルギガンテ」が2位に。復活を望む声がSNSで爆発。
バズ要因:
・“過去作キャラ復活”というノスタルジー要素
・海外ファン含むグローバルな盛り上がり
・発表にストーリー性があり、メディア露出がしやすい
広報に活かすためには
“周年”や“記念日”と絡めることでニュース性UP
「◯周年」「◯◯の日」に合わせた総選挙企画はメディアからの注目度が高い
投票できる条件を指定する
購入者限定など、参加条件をあえて絞ることで、ユーザーの投票意欲を高めることが可能。さらに、投票参加者にオリジナルグッズをプレゼントするインセンティブを設けることで、キャンペーン全体の盛り上がりを促進。限定感が“推し活熱”を刺激する仕掛けとして有効。
「結果発表」も一つの発信機会と考える
単なる数字発表に留めず、プレスリリース・ライブ配信・X投稿などを複数チャネルで展開することで、発表自体を“イベント化”。特に生放送での結果発表は、ハッシュタグをつけたファン同士のリアルタイム投稿が加速しやすく、トレンド入りや二次拡散を狙える有効な手段。
どのメディアにどうアプローチすると良いか?
以下の媒体が注目です。
| メディア | 特徴 | キーワードとの関連性 |
|---|---|---|
| ファミ通.com | アニメ・ゲームに強く、ファン層が熱い | キャラクターや周年企画との相性◎ |
| 電ファミニコ ゲーマー | オタク文化・TRPG企画もカバー | TRPG・サブカル系総選挙に強い |
| 日経トレンディ ネット | トレンド商品やキャンペーンの背景に言及 | 消費者行動×復刻企画など好相性 |
まとめ
「総選挙」は、ファンの熱量を可視化しながら話題性と販売促進を両立できるPR施策です。
“周年”や“記念日”と掛け合わせることでニュース性も高まり、SNSでの拡散も狙いやすいのが特徴。
今後の広報戦略として、企画立案時には“推し活参加型”の仕組みを取り入れてみてはいかがでしょうか?
▼PRトレンドナビとは?
本コラムは、自社ツール「PRオートメーション」内の「企画する(Buzz NEWS Analyzer)」機能を活用し、話題のキーワードを分析した結果をもとに構成しています。
いま注目されている社会的テーマやキーワードを広報視点で読み解くシリーズであり、生活者の価値観の変化や季節性・時事性のある話題をもとに、企業広報にどう活かせるかを事例やデータとともにご紹介します。日々の企画立案や社内提案のヒントとして、ぜひご活用ください。
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