8月31日、プラップノード株式会社(以下プラップノード)と株式会社エルテスが共催で「下期に向けた広報業務の見直し ~成果に繋がる、ムリ・ムダのない広報組織の作り方~」と題したWebセミナーを行いました。
セミナーの後半パートでは、プラップノードのCOOを務める雨宮が登壇。「「広報マネジメント」発想でPRの目標達成・資産管理・リソース最適化を実現する」と題し、広報の新しい組織論を紹介しました。可視化されにくい広報部門のマネジメントに深く切り込み、日々の活動を成果につなげるための抜本的な組織改革の手法について話しました。
この記事では雨宮のセッションを中心に内容をまとめます。セミナーのアーカイブはこちらからご覧いただけます。
この記事でわかること
・広報部門の課題にはどんなものがあるか
・広報の組織論「広報マネジメント」を導入することで得られるメリット
・「4A」の整理で広報マネジメントは実現する
登壇者
雨宮 寛二(プラップノード株式会社)
Campany COO
プラップジャパン入社後、PRコンサルタントとして大手半導体・消費財・ヘルスケア企業の戦略立案や実務を担当。後に新規事業部門に異動し、PR分野のデジタルツールや事業開発に従事した。2020年3月からプラップノードCOOとして、国内初の総合PR-SaaSツール「PRオートメーション」の企画開発・営業・運用の担当役員。共同創業者。
【PRオートメーション】 – PR成果の見える化と業務効率化
広報部門の抱える4つの課題
広報業務の多様化に伴い、以下のような課題を抱える組織が増えています。
- 一つの業務に付随する作業が多すぎて現場が混乱する
- 数字でKPIを管理したいが、そもそも何をKPIにすればいいのかわからない
- 「あの人じゃなきゃわからない」話が多すぎる
- プレスリリースを出したあとの集計作業に時間がかかりすぎる
これらの課題を解決するために「広報マネジメント」の考え方を導入すると、次のようなポジティブな変化が期待できます。
- 業務がマニュアル化され、やるべきことの優先順位が明確に
- 企業規模やステージを客観的に考慮した、自社が設定すべきKPIがわかる
- 全員が広報の持つ資産価値を自覚でき、積極的に発信できる環境へ
- 集計をすべて自動データ化することで、次の施策や改善案を考える時間が作れる
【PRオートメーション】 – PR成果の見える化と業務効率化
広報マネジメントとは?
そもそも広報は150年ほど前から存在した部門です。歴史は長いものの社内における組織の立ち位置がはっきりしていない企業も多く、その悪しき伝統を引きずったまま今日までやってきた現場も少なくありません。その結果、DXが遅れたり、KPIが自社にとって妥当ではないものになってしまうこともあります。
これまで多くの広報部と仕事をしてきましたが、広報専用の組織論・マネジメント論を確立している組織はありませんでした。
「広報独自の文化」の一つとして、組織的な蓄積の共有や体系的な研修をスキップして担当者をとにかく現場に立たせるという慣習が挙げられます。しかし、現在の「現場」にはSNSを中心としたメディア構造の変化に端を発する、業務の多様化や仕事量の増加といった現実があります。そのため多くの広報担当者は、一つひとつの業務の深い意味合いや自社の持つ資産の全容把握さえできないまま、日々混乱・疲弊しながら業務にあたっているように見えるのです。
広報マネジメントとは、
- このような広報独自の仕事のやり方から抜け出し、広報部門全体の活力につながるような健全な組織運営を行おう
- 各人が業務に対する見通しをクリアにし、それぞれの発想を大事にして自由闊達に仕事ができる組織に変貌させよう
ということを目的とした組織論のことです。
4つのAを組み合わせて広報マネジメントを導入
広報マネジメントに必要な要素は4つのAです。Aはそれぞれ、
- Affairs(業務の整理)
- Assets(資産の整理)
- Analysis(効果指標の整理)
- Automation(仕組み化)
を意味します。詳細を解説します。
①Affairs(業務の整理)
多様化し、複雑化している広報業務のマニュアル化を行います。
たとえば「メディアリストのチェック」という一つの業務にも、上記ような作業が付随します。多くの広報部門で暗黙知となっているこれらの細かい作業をマニュアルとして可視化することで、現場担当者の混乱や「何をすればいいのか探す作業」をなくして、疲弊を防止します。
②Assets(資産の整理)
広報が発信できるネタや、リレーション、慣習などを見える化し、いつでも使えるポータブルな状態にします。広報資産は、広報部門や役員の持っている人脈はもちろんのこと、サービスの開発ストーリーから福利厚生、ユニークな社員情報まで多岐に渡ります。
さらに、取材対応力など、各社員の持っている個人的スキルを資産として考えることも重要です。これによって、社内資産の重要性を再認識すると共に「あの人しか知らない/できない」といった属人化を防ぐことにもつながります。
③Analysis(効果指標の整理)
経営課題に関与し、会社への貢献度合いが確かな効果指標を探し出し、採用することを意味します。
各企業はそれぞれ広報のゴールが異なります。そのため、会社の事業ステージ/広報部門の成熟度などを客観的に把握した上でKPIの設定を行うことが重要です。これによって、広報担当者全員が納得感を得られるゴールを設定でき、モチベーションの低下を防ぐことも期待できます。
④Automation(仕組み化)
①~③の作業の必要性を認識していても、なかなか実行に移せない現場も多いでしょう。④の仕組み化は、①~③の作業をデータ化・自動化することを指します。外部のツールが必要な項目にはなりますが、これによって担当者は手動で行う作業を大幅にカットでき、社内資産が自動でたまっていく仕組みも作ることができるようになるでしょう。
このサイクルを生み出すことで、効果指標の設定や振り返りといった作業もデータ管理・可視化することが可能になります。広報のヒューマンリソースを、日々のこまごまとした作業ではなく、データの集計結果を解釈→業務改善や次の施策を考える、といった頭脳労働に割くことができるようになるのです。
【PRオートメーション】 – PR成果の見える化と業務効率化
広報組織の適正化によって成果の出る環境を作る
「広報マネジメント」は広報部門を健全に動かすための組織論です。4Aのフレームワークを通して、自社の問題点はどこか、どこを整理して考えるべきか、ということを考えてみてください。うまく活用できれば、タスクの分解・資産の整理・リソースの最適化を行うことができます。すると「報告リストを作ることが仕事」の組織から「数字を見て新しいアイデアを考える」ことができる、よりクリエイティブでモチベーションの高い広報部門へ進化することが可能となるはずです。
セミナー本編ではさらに、5年後の広報に求められるスキルや重要なステークホルダーなどについても解説しています。広報担当者はもちろん、広報目標やKPIについてお悩みの方にも参考になる内容です。
▼このセミナーの無料アーカイブはこちらで公開しています▼
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