広報活動を社内に報告する際、広告換算額やリーチ数を指標にしている広報部門は多いと思います。しかし「この換算額って、本当にそんなに価値があるのかな?」と思った経験がある方もいるのではないでしょうか。デジタル化の進展も手伝って、広報・PR活動においてもより実態に迫った新しい効果測定の重要性が高まっています。
従来の広告換算額や掲載数といった指標に加え、より実質的な影響力を測る新しい指標として当社が注目しているのが「バズ数」です。この記事では、この「バズ数」に焦点を当て、具体的な測定方法から広報戦略への活用方法までをご紹介します。
この記事は過去に実施したセミナーを再編集して作成したものです。セミナー資料はこちらからダウンロードしていただけます。
バズ数・バズ記事とは?
バズ数」とは、X(旧Twitter)やFacebookでニュース記事が何回シェアされたかを測った数を指します。つまり記事を読んだ読者をどれだけ動かしたかを測れる指標となります。
バズ数を指標に置くことのメリット
これまで、広報の効果指標といえば以下のようなものが一般的でした。
- 露出件数(掲載数):メディアに掲載された回数
- 広告換算額:掲載された記事を広告として出稿した場合の費用換算
- 推定リーチ数:記事を目にした可能性のある人数
これらの指標は計測が容易である反面、実際にどれだけの人が記事を読まれて、行動を促したかを把握するには限界がありました。
その点、バズ数は単なる露出量とは異なり、自社情報の書かれた記事が実際にどれだけの人々の目に入り、かつ興味を引いて行動を促したかがわかる指標です。もっと簡単に言うと、記事が「どれだけの人の心を動かしたか」を数値化したものと言えます。人々の反応を直接的に数値化することができるため、より実質的な効果を測ることができるのです。
バズ数の基準は?
では、どれくらい記事がバズれば「多い」と判断できるのでしょうか。以下は当社が分類したバズ数の評価基準です。こちらを基準に「バズが多かった」「少なかった」を検討してみてください。
ただし、業界や企業の規模、ターゲットとする層によってバズ数の基準は変わってくる可能性があります。
例えば、ニッチな業界や専門性の高い分野では、100のバズ数でも「大成功」と評価される場合があります。逆に、BtoCの大手企業であれば、1,000のバズ数でも「小バズ」程度と評価されるかもしれません。
また、バズ数の絶対値だけでなく、以下のような要素も考慮して総合的に評価することが重要です。
過去の自社の平均バズ数との比較
通常の2倍以上のバズ数があれば、その記事は特に反響が大きかったと言えます。
競合他社のバズ数との比較
業界内で相対的に高いバズ数を記録していれば、注目度の高い情報発信ができたと評価できます。
バズの質
単に数が多いだけでなく、ポジティブな反応が多いかどうかも重要です。影響力のあるアカウントからの反応があったかどうかも考慮します。
バズ数の評価において重要なのは、自社の状況や目標に合わせて適切な基準を設定することです。また、定期的にバズ数を測定・分析し、その推移を見ることで、自社の情報発信力の向上を図ることができます。
バズ数の測定方法
バズ数を測定するには、SNSの「いいね」や「シェア」ボタンの数字を確認したり、記事URLをXで直接検索し、リポストをカウントしたりするといった方法がありますが、非常に煩雑的な作業が必要になるため、ツールを使うことをおすすめします。
たとえば、PRオートメーションに搭載された「Buzz News Analyzer」は、主要ウェブメディア500サイト以上の記事(年間250万件超)のバズ分析を通じて、エンゲージメントやトレンドを把握することができます。
バズ数を活用した広報戦略3例
バズ数はユーザーのアクションやその後の動きを測るだけではなく、自社にとって有効なメディアを選定したり、より戦略的な広報活動を考えたりする上でも活用できる指標です。具体的には次のような切り口で活かすことができます。
1.重要媒体の設定に活かす
バズ数を生みやすいメディアがわかることで、自社の重要媒体が可視化されます。「大手メディアだから」「聞いたことがあるから」という曖昧な理由ではなく、自社にユーザーを運んでくれる、自社にとって本当に重要な媒体が可視化されるのです。
2.”バズ効率”を媒体選定に活かす
「バズ効率の良い媒体」とは、掲載されやすくバズりやすい媒体のことです。バズ数を活用した広報戦略を考えるとき、この媒体を見つけることが重要になります。
効率が良い媒体がわかるということは、逆に言えば「効率の悪い媒体」もわかるということです。つまり「掲載されにくく、バズりにくい」媒体です。そういった非効率媒体をあぶり出し、重要媒体から外していくという使い方もできます。
効率が良い媒体にはどんどんアプローチしていくなど、活動目標の設定に役立てることもできます。バズという指標に従って優先順位をつけることで、効率的なメディアプローチをするサイクルを作りましょう。
3.バズの傾向を企画に活かす
メディアの選定以外にも使いどころはあります。自社業界内でバズ数の多い記事の内容をランキングなどにして可視化し、それに合わせた企画に活かすという方法です。
たとえばハロウィーンなどの季節イベントに合わせた企画を考えるというとき。昨年の10月・11月だけにデータを絞り、去年はどんな媒体でどんな記事がバズっていたか、ということを調査できます。それを元に企画立案すれば、コスト削減しつつ、的を射た企画が生まれやすくなります。
バズ数活用の注意点と広報戦略の構築
バズ数は有用な指標ですが、以下のような点に注意して活用する必要があります。
- ネガティブなバズにも注意
バズ数が高くても、その内容がネガティブなものであれば企業イメージを損なう可能性があります。バズの質も同時に評価することが大切です。 - 他の指標との組み合わせ
バズ数だけでなく、自社サイトへの流入数や競合比較、売上との相関なども併せて測定し評価することで、より総合的な効果測定が可能になります。
バズ数は記事の影響を表す新しい指標であり、ユーザーの具体的な行動を促すことができる数値です。新しい広報戦略の道を切り拓くためにも、自社の指標にご活用ください。
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