近年、生成AIの技術は爆発的な発展を遂げ、ビジネスシーンでの実用化がますます進んでいます。プラップノードではこうした世の中の流れを受け、2月14日に「広報×AI」をテーマにしたオンラインカンファレンス「PR-AI Day〜どう変わる?広報の未来と働き方〜」を開催しました。本記事では同カンファレンス内のセッション「AIでプレスリリースを作成する」の一部をレポートします。
登壇者
中野 和俊(株式会社ショーケース)
SaaS事業本部LLM Labsマネージャー
メーカーやベンチャー企業でソフトウェアエンジニア、プロジェクトマネージャーを経験。18~22年、AIベンダーでプロダクトマネージャーを務めた後、2022年7月より現職。JAIST(北陸先端科学技術大学院大学)にてAIの研究でCS修士を取得。自身が企画や開発にかかわったサービスが顧客の課題解決につながり、また継続して利用し続けてもらうことを目指して日々の業務に取り組む。
雨宮 寛二(プラップノード株式会社)
Campany COO
プラップジャパン入社後、PRコンサルタントとして大手半導体・消費財・ヘルスケア企業の戦略立案や実務を担当。後に新規事業部門に異動し、PR分野のデジタルツールや事業開発に従事した。2020年3月からプラップノードCOOとして、国内初の総合PR-SaaSツール「PRオートメーション」の企画開発・営業・運用の担当役員。共同創業者。
「生成AIで質の高いプレスリリースを作成したい」という要望
セッションに登壇したプラップノードCOOの雨宮は「セキュリティについて万全の配慮をした上で、質の高いプレスリリースを生成AIで作成したいという顧客の要望は以前よりあった」ことを明かした上で、PRオートメーションに実装予定の新機能「プレスリリースドラフト機能(仮)」について、サービスのデモ画面操作を交えて紹介しました。
広報業務における生成AIの活用として、リリース企画への示唆や集めたデータ分析に有効な活用法は当社でもこれまで紹介してきました。しかし機密情報を守った上で、違和感のない文体を再現し、さらに各社独自の「らしさ」を体現したプレスリリース作成実現への道のりは険しかったと言います。
開発として最も留意したポイントとは
当社と共同で「プレスリリースドラフト機能(仮)」の開発を担当した株式会社ショーケースの中野氏は、同サービスの開発にあたって最も留意したポイントを以下のように語りました。
プレスリリースとして違和感のない文章
実際に生成AIにプレスリリースを作成させるにあたって、最初に留意し、最後まで最も重要視したのは「いかに品質の高いものを作るか」ということでした。
広報業務を担う皆さんが当たり前のように書いているプレスリリースですが、生成AIで作成するとなると簡単ではありません。
というのもプレスリリースは、Web記事などで書かれている文章と違った基準があります。皆さんは「プレスリリースとはこういうもの」という暗黙の了解の中でやられているかもしれませんが、AIがそれを理解するとなると、それらの感覚値のディティールもすべて言語化しなければいけません。つまり「普通にやるとプレスリリースっぽくない、いかにも生成AIが書いた文章」がアウトプットされてしまうんです。
今回開発した機能が最初に目指した通り、高品質なものになったのは、PRのプロであるプラップノードとAI領域のプロであるショーケースがそれぞれの分野を共同し、妥協のないレベルを追求できたことが大きいと考えています。
最低限の情報でアウトプットが返ってくる
操作画面では、200字程度の情報を箇条書きで入力すれば、一般的なプレスリリースの分量である1000字~2000字のアウトプットが返ってくるように調整しています。独自にプロンプトを考える必要もありません。
編集・修正のしやすさ
開発過程ではプラップノード協力のもと、プレスリリースの構造を徹底的に解剖しました。プレスリリースは最初に結論があって、続いて詳細が書かれていますが、それぞれのセクションごとに手動修正・AI修正ができる形にしています。これによってドラフトの細かい調整が可能になりました。
「自社らしいプレスリリース」の実現
さらに特筆すべきは「自社らしさ」という味付けができる点です。これは、機能を利用する企業が過去に配信したプレスリリースを読み込ませることで、その企業のテキストに沿ったドラフトを生成できるというものです。細かいテイストや、文章のちょっとしたクセを再現することができます。
セキュリティの担保
さらに中野氏は、セキュリティの担保についても言及。本機能はセキュリティ対策・信頼性の高いマイクロソフト社のAzure OpenAI Serivceを使用し構築しているため、利用企業が入力したデータ・文言が社外でAI学習に使われたり、漏洩する可能性は一切ないと説明しました。さらにSLA(Service Level Agreement)は99.9パーセント以上の稼働率を誇っており、操作している途中で画面が止まったりする懸念もないと紹介しました。
エンタープライズ企業でも業務実装可能なサービスを目指す
セッションの最後に雨宮は「セキュリティ面も含めて、個人が契約しているChatGPTでできることとはレベルの異なる機能提供となる」とし、今後実証実験に参加いただける企業を募ることも明かしました。
デモ画面が見たい等のご希望がある方はこちらよりその旨を記載の上、ご連絡ください。(応募者多数の場合、抽選とさせていただく可能性がございます)
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