企業や組織が発信する情報の中でも、ニュースレターはプレスリリースとは異なる特徴を持っています。この記事では、ニュースレターの定義や目的、プレスリリースとの違い、配信のメリットや作成のポイント、さらに今すぐ使える最新のアイデア集を紹介します。
※この記事は下記のオンラインセミナーを再編集したものです。セミナー資料のDLはこちらから。
ネタ不足でお困りの方必見!ニュースレター最新アイデア集
セミナー登壇者
桃井 克典(もものい かつのり)
プラップノード株式会社 コンテンツマネージャー
2013年プラップジャパン入社。PRコンサルタントとして、BtoC・BtoB問わず様々な企業・自治体の広報業務に従事。リリース配信、メディアアプローチにとどまらず、イベント、SNS、動画、Webサイトなど様々な手法を通じた戦略立案・実行を担当。2020年よりPRオートメーションのマーケティング担当として、Webサイト、ウェビナー等で広報活動効率化のヒントを発信している。
ニュースレターとは
最初にニュースレターの定義を確認してみましょう。「公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会」によると、
マスコミなどのステークホルダーと良好・健全なコミュニケーションを図るために、経営戦略、営業活動、財務状況、技術開発情報などを定期的に紹介する新聞形式の情報発信ツール。(以下略)
「公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会」より
つまり、メディアに向けて話題を提供する方法の一つだと言えそうです。
ニュースレターとプレスリリースの違いは?
メディア向けの情報発信といえばプレスリリースですが、ニュースレターとの違いはどこにあるのでしょうか。下記は違いを図にしたものです。
プレスリリース | ニュースレター | |
---|---|---|
目的 | 最新情報の公式発表 | 話題の提供 |
情報鮮度 | 最新情報が良い | 最新でなくてもOK |
体裁 | タイトル・リード・ボディ | 企画書に近いイメージ |
情報元 | 社内からの依頼 | 自分から探す |
配信先 | 主に一斉配信 | なるべく個別に配信 |
プレスリリースは公式が発表する最新情報という特徴がありますが、ニュースレターの情報は(ニュースと名がついてはいますが)最新である必要はありません。「記事になったらメディアの読者が喜びそう」というネタの情報提供することが目的です。
また、プレスリリースはヘッダー、タイトル、リード、ボディ、フッターといった具合に構成がしっかり決まっています。一方ニュースレターは、企画書に近い形式で送ることが一般的です。
関連記事:【広報・PR】プレスリリースとは?メディア掲載されるための書き方9つのポイント
さらにプレスリリースは企業活動として会社や事業部から「プレスリリースを出して欲しい」と依頼されたり「出すこと前提」として作業するケースが多いですが、ニュースレターは広報担当者が自発的に情報を探しに行って作成するという特徴があります。配信先も特定のメディアを想定し配信するのが効果的です。
ニュースレターとダイレクトメール/メルマガの違い
続いてダイレクトメールやメルマガと、ニュースレターの違いについて解説します。
広報・PRの現場で使われる「ニュースレター」は、一般的に企業がメディアとの後継構築を目的に、有益な情報を定期的に配信するコンテンツのことを指します。
一方、メルマガは主に広告などの目的で配信されるものです。ダイレクトメールは、主に生活者に対する販促目的などで送られます。
メルマガやダイレクトメールが直接的な販促を目的とするのに対し、ニュースレターはより長期的な関係構築を重視する点が特徴です。いずれもメールを用いて配信することが多いため、混合しがちですが、その目的と内容に違いがあります。
ニュースレターの種類
ニュースレターには大きく分けて3つの種類があります。それぞれの特徴を解説します。
キュレーション型
キュレーション型はトレンドや季節性に沿ったテーマに合わせて、自社情報や競合情報をまとめて配信するニュースレターです。凝ったものならそのままメディアの企画として採用されるケースもゼロではありません。
この型の特徴は、情報を要約して提供することで、読者が短時間で多くの情報を得られる点です。また、トピックの選定と簡単な解説を加えることで、企業の視点や専門性を示すこともできます。アイデア次第で企画を立てやすく、作成の工数もさほどかからないため着手しやすい形式であると言えます。
記事型
記事型は、特定のテーマについて深く掘り下げたニュースレターのことを指します。こちらは読者に詳細な情報を提供することが目的で、企業の専門性や独自の視点を強調できます。
文章量が多くなる傾向がありますが、興味のある読者にとっては価値の高い情報源となります。ブログ記事のような形式で、じっくりと読ませる内容が特徴です。
ニュース型
ニュース型は、主に企業や業界の最新情報を伝えるために使用されます。新製品の発表、イベント情報、企業の動向など、タイムリーな情報提供が目的です。
特に大規模なイベントやキャンペーンの前後で活用されることが多く、読者の興味を引き、企業活動に関心を高める効果があります。
これらの型は必ずしも明確に分かれているわけではなく、目的や読者のニーズに応じて、複数の要素を組み合わせることも可能です。重要なのは、選択した形式が企業の目標と読者の期待に合致していることです。
ニュースレターを配信するメリット
定期的な配信と質の高いコンテンツを通じて、メディアと継続的な関係構築を図ることがニュースレターの本質的な役割です。
記事掲載を獲得しやすくなることはもちろん、定期的な情報提供自体がメディアと関係値を築くことをができます。企業の専門性や独自性、さらに業界の最近の動向を示すことで、各媒体における企業の存在感や重要性を増す一助にもなるでしょう。
ニュースレター作成のポイント
ニュースレター作成の際は、
- 時事性やトレンド性
- 専門性や独自性
この2つのポイントを意識することが重要です。
「なぜ今、それを発信するのか」「どんな人に関係ある情報なのか」というところに注目し、情報の加工を行うことが重要です。
たとえば「○○の日」に合わせてモノ・コト・ヒトの情報を見つけ出し情報提供するのは時事性やトレンド性があると言えます。「○○について当社だから話せること」「当社でしか撮影できない○○工場の様子」といった切り口はオンリーワン感があり、独自性につながります。
これらの情報を「その情報に興味を持っていそうなメディア・記者」に提供することがポイントです。メディアや記者によってニーズも異なるため、マルチコンテクストの視点で情報を加工します。
マルチコンテクストとは…
情報の受け取り手(メディア)ごとに情報発信の切り口を変えること。「このメディアは、こういう切り口なら情報を読んでくれそう」と考える。各メディアの特性を理解することがポイント。
メディア側は「今取材する必要があるのか」「他社の情報で補えないのか」といった心理を常に持っています。そこで「うちでしか撮れない」「今が旬なんだ」というところを強調すると、メディアからのリアクションが返ってきやすくなると言えます。
【まとめ】ニュースレターの作成フロー
- 発信する情報を探すor作り出す
- 情報をニュースレターにまとめる
- 発信タイミングを検討
- 可能性が高い媒体のみ選定/SNS発信し取材依頼を待つ
- 個別アプローチ
ニュースレターのアイデア集39選
さらにセミナーでは「どんなニュースレターが載るのか?」という具体的な企画のアイデアを39点出して紹介しました。
・予算がないけどニュースレターを出したいときのアイデア集
・掲載からどんなものが載りやすいか逆算するアイデア集
などシチュエーション別に解説しました。
当社では今後も広報担当者向けに日々の業務に役立つセミナーを実施していく予定です。情報収集や業務改善にお役立てください。
※こちらのアイデア集については「もう一度見たい」というご要望が多かったことを受け、セミナーの投影資料を公開しています。下記よりダウンロードください。
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