広報コラム

PRトレンドナビ vol.5『推し活』

みなさん、「推し活」をご存じでしょうか?

“推し活”とは、好きなアイドル・キャラクター・芸能人などを応援する活動のこと。元々はオタク文化の一部として静かに育まれてきた言葉ですが、今やテレビや新聞でも当たり前に使われるようになりました。SNSの普及により、誰もが“推し”を発信・共有しやすくなったことが最大の要因です。

そして今、“推し活”は個人の趣味にとどまらず、企業や自治体もマーケティングや地域活性、商品開発に活用する時代へと突入しています。

なぜ「推し活」が注目されるようになったのか?

年代出来事
2018年『推しが武道館いってくれたら死ぬ』が注目され、“推し活”という言葉がじわじわ浸透
2020年コロナ禍でリアルイベントが中止→SNS・ECでの“推し活”需要拡大
2023年以降官公庁・老舗企業なども「推し活マーケティング」に参入、トレンド定着へ
「推し活」はもはや一過性のブームではなく、定着した文化として扱われています。

データで見る「推し活」の盛り上がり

「PRオートメーション」のメディア分析によると、「推し活」をキーワードに含む記事は、毎月記事が出続けていることがわかります。その為、メディアにとって推し活の話題は興味深い話題だとわかります。

話題になった施策をピックアップ

★バズ数:4,777
概要:神奈川県・新横浜駅に、推し活参戦者向けに女性専用のパウダールームが登場。ライブ前の“準備”ニーズを受けた新サービス。
分析:ユーザー体験を深く理解したサービス設計が評価された点と、年始の大型イベントに向けてタイムリーなリリースが功を奏しました。

★バズ数:3,513
概要:伝統的な仏具店が、好きなキャラクターやアーティストを祀る“推し壇(おしだん)”を販売し、SNSで大きな反響を呼びました。仏壇という静かな文化と、推し活という熱狂的なトレンドの掛け合わせが話題に。
分析:「意外性のある業種参入」×「共感と映えの両立」×「文化的背景」が絶妙にハマった好事例。新旧文化の融合が“語りたくなるネタ”として機能しました。

★バズ数:622
概要:ビジネスホテル・東横インが、ぬいぐるみと一緒に泊まれる「オタクに優しい」宿泊プランを発表。推し活層への共感と、写真映えするサービスが話題に。
分析:「担当者の実体験」×「世界観を再現したサービス設計」×「SNS映え」が重なり、ファン心理を突いたことで拡散に成功しました。

広報に活かすヒント

施策の切り口内容
意外性を仕込む伝統×推し、行政×推しなど、“ギャップ”がある組み合わせはニュースバリュー大
利用者視点を徹底ラウンジ・休憩所など「推し活の導線上にある困りごと」への着眼がポイント
データを味方にする「○○推し活市場は○億円」といった市場規模やアンケートを加えると説得力がUP

どのメディアにどうアプローチすると良いか?

露出記事とバズ率のマトリクスから、以下の媒体が注目です。

ナタリー

  • 特徴::エンタメ・音楽・アニメ系コンテンツを幅広く網羅
  • 関連性:推し活イベントやコラボ商品の紹介と親和性が高い

産経新聞

  • 特徴:社会現象としての「推し活」や政策系の話題にも強い
  • 関連性:推し活が経済・文化に与える影響を取り上げやすい

アニメ!アニメ!

  • 特徴:キャラクター推しや2.5次元舞台などと高相性、アニメ業界に深く根ざした視点
  • 関連性:アニメ関連コラボやファンイベントの告知に最適
メディアカテゴリ具体的な切り口例狙い目媒体
エンタメメディア推し活×音楽・舞台・グッズ展開ナタリー、アニメ!アニメ!
総合ニュース系政策・文化の視点から「推し活」を捉える産経新聞、日経クロストレンド
オタク・専門媒体キャラ推し・ファン心理の深掘り電ファミニコゲーマー、4Gamer.net

まとめ

かつて“オタク用語”だった「推し活」は、いまや企業戦略やメディア企画に欠かせないキーワードです。意外性や共感性のある切り口でアプローチすることで、記事化率やSNSシェアが高まる傾向が見られます。広報担当者にとって重要なのは、「推し活」を単なる流行語として消費するのではなく、自社の広報資産と組み合わせて活用することです。そこから、新しい施策や価値ある取り組みが生まれる可能性があります。

▼PRトレンドナビとは?
本コラムは、自社ツール「PRオートメーション」内の「企画する(Buzz NEWS Analyzer)」機能を活用し、話題のキーワードを分析した結果をもとに構成しています。
いま注目されている社会的テーマやキーワードを広報視点で読み解くシリーズであり、生活者の価値観の変化や季節性・時事性のある話題をもとに、企業広報にどう活かせるかを事例やデータとともにご紹介します。日々の企画立案や社内提案のヒントとして、ぜひご活用ください。

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