広報コラム

【広報・PR担当者向け】ChatGPT-4o登場による影響と可能性は?セミナーレポート

【広報・PR担当者向け】ChatGPT-4o登場による影響と可能性は?セミナーレポート

近年、生成AI技術の発展により、広報・PR業務にも大きな変化が訪れています。中でもOpenAI社が提供するChatGPTは、5月14日のアップデートでChatGPT-4oがリリースしたことでいっそう注目を集めています。
プラップノードでは「広報×AI」というテーマで定期開催しているセミナーにて、ChatGPT-4oを広報・PR業務にどのように活用できるか調査した結果を報告しました。本コラムではセミナーの内容を抜粋して紹介します。

※本記事およびセミナーの内容は2024年5月末時点の情報です。最新情報は各サービスの公式サイトをご確認ください。

【PRオートメーション】 PR成果の見える化と業務効率化

登壇者

野中 透(のなか とおる)
プラップノード株式会社 マーケティングマネージャー 

PRオートメーションのマーケティングを担当。精密機器メーカー、デジタルエージェンシーを経て、2018年プラップジャパン入社。デジタル広告運用、SNS運用、ソーシャルリスニング、アクセス解析など広報領域におけるデジタル施策全般のディレクションを担当。 これまでに食品メーカー、飲料メーカー、外資系IT企業、大手デベロッパー、製薬企業など幅広い業界のデジタル施策を手掛ける。 2022年より、PRオートメーションのマーケティング担当として、デジタル領域を中心とした施策立案、実行に携わる。

桃井 克典(もものい かつのり)
プラップノード株式会社 コンテンツマネージャー 

2013年プラップジャパン入社。PRコンサルタントとして、BtoC・BtoB問わず様々な企業・自治体の広報業務に従事。リリース配信、メディアアプローチにとどまらず、イベント、SNS、動画、Webサイトなど様々な手法を通じた戦略立案・実行を担当。2020年よりPRオートメーションのマーケティング担当として、Webサイト、ウェビナー等で広報活動効率化のヒントを発信している。

ChatGPT-4oでできること

ChatGPT-4oの4oは「フォーオー」と読みます。oはomuni(オムニ)の略で、「すべての」「全方位」といった意味を持つ言葉です。その名の通り、従来と比較して使える機能もパワーアップしています。
さらに4oモデルで特筆すべきは、使用回数に制限はあるものの、無料ユーザーでも一部機能を利用できる点です。(2024年5月末 プラップノード社調べ)

本セミナーでは下記の機能に注目し、その使い勝手と、広報業務における活用アイデアについて解説しました。

  1. 音声のリアルタイム入力に対応
  2. 日本語/感情の理解力が大幅向上
  3. Google/OneDriveとの連携対応

①音声のリアルタイム入力に対応

ChatGPT-4oはリアルタイムでの音声入力機能に対応しています。以前よりスマホ版では無料で搭載されていた機能ですが、PCでも音声入力が可能になりました。
広報分野では、議事録などの作成に役立つことが期待されます。話した内容はもちろん、会議で決まったこと、各人のTODOをまとめた資料を自動で作成することも可能です。

現状はリアルタイムでの音声入力のみですが、今後mp3やmp4といった音声データにも対応されるようになるかもしれません。そうなれば、インタビュー音源やラジオ・テレビの音声データの文字起こし/要約などの業務効率化への期待もできます。

②日本語/感情の理解力が大幅向上

さらに日本語テキストへの理解力も大幅に向上しました。たとえば「やばい」という言葉は、外国人などの日本語学習者のあいだでも文脈の理解が難しいところだと言われています。そこでChatGPT-4oに「やばい」という言葉にまつわるそれぞれの感情分析をさせたところ、正確に理解できていることがわかりました。

日本語感情の理解力が上がったことで、広報分野では、獲得した記事の分析・市場調査・リサーチなどへのさらなる利活用が期待できます。

③Google/OneDriveとの連携対応

Google DriveやMicrosoft OneDriveと連携できるようになったことで、ドライブのファイルを直接アップロードして分析を行ったり、表やグラフを作成させることも可能になりました。
たとえば、スプレッドシートで自動取得したYahoo!ニュース1か月分の記事一覧を読み込ませ、この中からインタビュー記事のみをピックアップする、などの使い方が可能です。そもそもGoogleDrive自体、さまざまなサービスと連携できるので、アイデア次第でさまざまな活用方法を考えだすことが可能です。

実際にGPT-4oを使ってみた!広報業務でどんな使い方ができる?

セミナーでは実際の広報業務を想定し、ChatGPT-4oがどのように活用できるかアイデアを出し、実際に使ってみるということを行いました。試したことは大きく分けて以下の6つです。

  • 記事の要約
  • Web掲載記事の論調分析
  • プレスリリースを架空の記者に読ませる
  • 統制データのリサーチ
  • ポータルサイトの記事分析
  • 分析した結果の資料作成

ここからは各実験の結果を簡単にレポートします。※有料版のみ搭載の機能も使用しています。

記事の要約

音声のみならず画像の読み込み精度が上がったことを受け、セミナーでは、
・写真に撮った新聞記事の画像をChatGPTに読み込ませ、要約させる
・広告料金表を読み込ませ、換算額を算出させる
という試みを実践しました。
結果、画像からの要約は問題なく実行することができました。一方で広告換算の測定は信頼性に欠け、現状では実用レベルには達していないことが明らかになりました。

Web掲載記事の論調分析

日本語の理解度が上がったことで、Web記事の論調分析が上がったという仮定のもと分析を行いました。下記は実際にChatGPTに読み込ませたプロンプトです。

企業名や重要キーワードなどを設定し、細かい採点基準を設けたことで、実用に耐えうる結果を出力することができました。記事を一つひとつ読み込み論調分析を行う業務を行っている方にとっては、頼れるパートナーになり得ると言えそうです。

プレスリリースを架空の記者に読ませる

さらに、作成したプレスリリースを架空の記者に読ませ、掲載されるためにどう工夫すればいいかフィードバックをもらうという試みを行いました。

結果、メディアの特性から「読者傾向に合わない」等のフィードバックをもらうことに成功しました。メディアの特性をさらに独自にChatGPTに学習させることによって、より精度の高いフィードバックをもらうことも期待できそうです。

統制データのリサーチ

今回のアップデートの結果、無料版でもWebブラウジングが可能になりました。セミナーではこの機能を利用し、「SNSの年齢別利用時間(日本人)」をテーマにリサーチを行いました。

ChatGPTによるアウトプットには参考リンクも記載されており、情報の正誤性を確認したり、情報の在りかを探るという点で最初の下調べとして活用したりするなど実務で使えるレベルであることが明らかになりました。

ポータルサイトの記事分析

大きな進化である各ドライブ連携機能。セミナーではスプレッドシートと連携し、広報業務でどんなことができるか紹介しました。
まず、ヤフトピのRSSデータをもとにヤフトピ記事を一覧化したデータを学習させます。その上で下記のルールで分析させることで、Yahoo!トピックスに掲載される記事の傾向を割り出すことができるか試しました。

結果、更新が多い時間帯や曜日、さらに掲載されやすい情報、キーワード、切り口を可視化することに成功しました。さらに自社情報や業界情報を学習させることで精度の高いアウトプットが期待できそうです。

分析した結果の資料作成

続いて、分析した結果をそのままパワーポイントに落とし、自動でレポート作成をさせる手法を紹介しました。
今回は例として、DX関連ニュースをまとめたデータをスプレッドシート連携で読み込ませ、メディアごとの記事数をグラフで作成、さらにその記事傾向を考察させます。レポートの体裁を整えるため、今後の広報戦略に活かせる内容の示唆を追記させたのち、それをパワーポイント資料にしてくださいという指示をしました。

ChatGPT→パワーポイント移行の際は、若干レイアウト崩れがありデザイン修正の必要が生じますが、最初のアウトプットとしては一定の水準をクリアしているという結論になりました。

広報データの蓄積ならPRオートメーション

今回の「広報×AI」ウェビナーでは、今までのモデルでは難しいとされていた分析や調査ができるようになったことがわかりました。ChatGPT-4oの普及は、今後、広報業務を含めたビジネスの現場に大きな変革をもたらすと予測されます。
とはいえ、ChatGPT-4oをはじめとする生成AIツールは万能ではありません。使用にはデータが必要ですし、人間の判断力と組み合わせることが重要です。

PRオートメーション」は、生成AIに活用できるさまざまな自社の広報データを収集することができます。広報のDXにお悩みの方は、生成AIの利用と合わせてご活用ください。

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