広報コラム

記事にしたくなるプレスリリースのためにやるべきこととは?「メディア研究」を解説

記事にしたくなるプレスリリースのためにやるべきこととは?「メディア研究」を解説

「メディアにリリースを読んでもらうにはどうしたら良いか」というのは、広報担当者について回る大きな課題だと思います。プレスリリースの内容を工夫するのが一般的ですが、その前に、メディア側が何を求めているのかを把握することも非常に重要です。この記事では、メディアに読まれるリリースづくりのポイントともいうべき「メディア研究」の方法とコツを解説します。

この記事をまとめた資料はこちらからダウンロードしていただけます。

読まれる・記事化されるプレスリリースとは?

メディア編集者や記者は、一日に何百数ものプレスリリースを受け取っています。その中から自社のリリースに注目させ、記事化させるのは容易なことではありません。企業広報は、この難しい条件の中で掲載を勝ち取るためにメディアリレーションを行い、メディアとの関係を構築していきます。

そこで重要になってくるのが「メディア研究」です。研究というと堅苦しく聞こえますが、内容は各メディアの特徴を把握することに他なりません。
「このメディアにはこういった文脈のリリースを送ると記事化されやすい」
「この記者の関心ごとに合わせたリリースを送るとメールを読んでもらえる」
「このメディアには○○という業界コーナーがあるから、自社のリリースを掲載されやすい」

このようなことを浮き彫りにし、記事掲載の確度をあげるために行うのがメディア研究です。

実務を通じてこのような勘所を身に着けている方も多くいるでしょうが、誰でもわかる形で見える化しておくことで共有資産となり、余計な業務を減らすことにもつながります。
メディアのことをよく把握せずにアプローチをした結果、記者の心証を害してしまう例もゼロではないので、リスクヘッジのために対策をしておくことをおすすめします。

メディアの研究の内容

一般的にメディア研究のために調べるべきと言われている項目に下記のようなものがあります。

メディア研究で調べたい項目一覧

すべて網羅できるのが一番良いですが、現実的に難しい場合はこれから解説する3つのステップに沿って最低限の基本情報を押さえましょう。

ステップ①媒体選定

メディアリストを持っている場合、その中から重要媒体を選定します。重要媒体とは下記のようなメディアのことを指します。

重要媒体、重要メディアとは?

現在、日本にはWebメディアだけでも3000以上の媒体があり、そのすべてを研究することは不可能です。そのため、自社にとって有益な対象媒体をあらかじめ絞っておくことがおすすめです。
重要媒体の探し方はこちらの記事で解説しています。

リストの内容を増やしたい時は、X(旧Twitter)やYahoo!ニュースの検索欄に競合企業の名前や商品の関連ワードを入れて結果を確認してみてください。自社にとって重要媒体になり得るメディアが見えてくるかもしれません。

ステップ②基礎情報収集

媒体選定のあとは、簡単にメディア概要をまとめておくのがおすすめです。その情報に付随して、直近7日程を振り返り、コーナーの一覧を作ります。

メディア概要のまとめ方

ステップ③最新記事分析

続いてメディアの最新記事から「なぜ記事化に至ったのか」その要素を書き出してみます。
たとえば「シズル感のある写真」「夏に冬らしい演出でギャップあり」「インタビュー記事が多い」「写真は横向き」「条例が変わるタイミングで発信している」などなど、仮説や単語でも構わないので再現性のある要素を書き出してみましょう。
さらに、記事末尾に記者の署名があればそれも確認します。記者の名前が分かればメディアアプローチを行う際、宛先を指定できて便利です。なければコーナー宛てにリリース送付できると理想的です。

これらの情報を揃えば、十分にリリースの企画やアプローチに活かせます。エクセルやスプレッドシートで社内共有しましょう。

メディア研究のアウトプット

研究結果の活かし方

ここまでメディアの情報を集めたら、それをもとにワンランク上のメディアアプローチに活用していきましょう。

①記者とのリレーションに活用
メディアの特性や記者の興味関心・専門分野が明らかになれば、ピンポイントで特定の記者に刺さる情報を提供することができるようになります。自社業界に関心が高いのであれば、競合も含めた最新の業界情報を伝えることも効果的です。記者の書いた記事に対して、感想を送っても問題ありません。
関係値があがると、どんな情報を求めているか記者の方から直接教えてくれることにもつながります。

②コーナーを一覧化して社内資産に
ステップ②で作成した基礎情報をもとに、各媒体がコーナーを一覧化します。どの媒体にどんなコーナー/特集ページがあるか可視化されることで、広報部内の全員が効率的にメディアアプローチできるようになりますし、各人のメディア理解促進にも期待が持てます。

③企画アプローチに活用
一つの商品を取り上げるにしても、各媒体によって切り口はさまざまです。メディアに情報を提供する際、媒体の特性に合った情報加工を施して送ることで掲載の確度はグッと高まります。

メディア研究を仕組み化するには?

ここまで読んでくれた方の中には「簡単に言うけど、メディアの動きも日々変わっているんだから、情報も追うのも大変だよ」と思った方もいるかもしれません。確かに記者が頻繁に異動をするメディアもありますし、コーナーの流動性が高いメディアもあります。これらの動きを日々すべてチェックして反映するのは現実的ではありませんし、形骸化してしまう危険もあります。

情報更新は時間を決めてタスク化

メディア研究のスタート時には、しっかり時間をとってフォーマットを作成したり基本情報を入力していく必要がありますが、その後は現実的な期間を決めて情報を更新していくのが望ましいでしょう。たとえば3カ月に一回、2時間くらいで見直すなどスケジュールを決めて、タスク化するのがおすすめです。

自動化の工夫

ツールを使って情報収集を自動化するのも省力化には効果的です。Googleアラートなどをうまく活用し情報を集めている広報部もいるかと思いますが、自社のリリースに対してメディアの興味関心・リリースの既読率などを可視化するには専用ツールの導入がおすすめです。

PRオートメーションは記者個人レベルでリリースの既読から、最終的な露出(クリッピング)まで管理できるPR専用ツールです。取材対応の履歴を見える化してマネジメント工数を削減したり、競合比較も行えます。
「メディア研究に割く時間がない」「人手が足りない」「もっと楽に実施したい」…このようなお悩みを持たれた方はぜひ一度ご相談ください。

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