対外広報において欠かすことのできないメディアアプローチ。ですが、「やっても掲載獲得できない」「まずどこから手をつけていいのか…」などのお悩みを抱える企業も少なくありません。本記事ではメディアアプローチの基本から、事前に行いたい準備について解説。すでにメディアリレーションを築けている担当者にとっても、改めて基本に立ち返ることのできる内容にまとめました。
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なぜ重要?メディアアプローチを行うメリット
そもそもなぜ広報がメディアアプローチを行うのか?それは、メディアの向こう側にいる読者に自社のサービスやメッセージを伝えてくれる媒体となるのがメディアだからです。ひと口にメディアと言っても、テレビ、雑誌、新聞、Webメディアとさまざまな種類があり、ターゲットとしている層もそれぞれ異なります。広報担当者は、各メディアのターゲット層がどこなのか調査し、自社のターゲット層と重複しているメディアを正しく選別する必要があります。
一方で、昨今の情報過多な社会においては、メディア掲載のハードルは年々上がっています。単なるプレスリリース配信や「載せてください」とお願いするだけで記事化に至ることは稀です。だからこそ、メディアとの関係構築に力を入れ、戦略的にアプローチしていく必要があります。
メディアアプローチの基本
一般的にメディアアプローチは次の3つのステップで行います。
①プレスリリースの配信
メディアや記者の関心に合わせた内容でリリースを作成して配信する。
②個別フォロー
重要なメディアには電話やメールで個別に連絡をとる。追加情報を提供したり質問に答えたりする。
③メディアキャラバン
記者と面会し情報提供することで、自社や商品への理解を深めてもらう。コロナ禍においてはオンラインが主流に。
メディアの特性を知り、記者の視点で考える
各ポイントを紹介する前に、基本の考え方を解説します。まず押さえたいのは「相手の立場に立つ」ことです。「そんな当たり前のこと?」と思うかもしれませんが、仕事に熱心な広報パーソンであればあるほど「自社の情報を知ってほしい!」と考えるもの。熱意が強すぎるがゆえに、”当たり前”を忘れてしまうことも往々にしてあります。多忙な記者の仕事環境や、行動機関の公共性などを配慮することが、信頼関係を構築するための第一歩だと心に留めましょう。
では、記者に好かれるアプローチはどんなものでしょうか?これも考え方は同じで、相手の立場になって考えると見えてきます。
広報は企業の顔とも言える存在。自社や業界について質問されたときに、パッと答えが返せると、質問した側も「この業界で知りたいことがあったら、この人に連絡しよう」と思うようになるかもしれません。
関連記事:メディアに好かれる広報・PRパーソンと、嫌われる広報パーソンの決定的な3つの違い
情報発信する際のポイント
続いてメディアアプローチする際のポイントを解説します。相手目線で考えるためにも必要になってくることが、メディア分析です。メディア分析とはその名の通り、メディアを分析し、各媒体の特徴を把握すること。
冒頭で触れた通り、読者や視聴者に自社情報を届けるためにはそのメディアの特性を理解しそれに応じたアプローチをすることが重要です。例えばテレビの場合、映像化しやすく視聴者へのインパクトが大きい情報が重視されますし、新聞各社は報道の切り口の違いがあることを把握する必要があります。
さらに細分化し、各メディアの読者・視聴者層、発行部数やPV、ポリシーやビジョン、広告やタイアップ費…などを確認し、メディアへの理解を深めます。各メディアの求める情報を的確に判断し、適切な内容と形式で提供できるかどうかが、メディアアプローチの最大のポイントといえるでしょう。
関連記事:メディアに読まれるリリースとは?取り上げたくなる企画作りに役立つ「メディア研究」を解説
メディアアプローチのタイミング
メディアによって繁忙期や手の空いている時間帯もさまざまです。より確度の高いアプローチを行うなら、各メディアの担当者に直接確認するのが望ましいのは間違いありません。
とはいえ「いきなりそんなの難易度が高い」という方もいると思います。そこでここでは、テレビ・新聞・雑誌・Webごとに情報提供タイミングを簡単にまとめた下記の画像を紹介します。
もちろん、一律この傾向があてはまるわけではありません。「この媒体は絶対に狙いたい」というメディアが決まっているのなら、媒体の発売時期や関係者のスケジュールを別途調べることをおすすめします。
メディア視点でプレスリリースを作成する
良いプレスリリースを作成するスキルを身に着けることも、メディアアプローチへの一歩です。プレスリリースは単に企業の伝えたい情報を列挙するのではなく、メディアの視点に立って情報を整理することが大切です。
記事のネタとして採用されるかどうかは、そのニュース性に左右されます。時事ネタとの関連性などを盛り込むことで、メディア側の食いつきも変わってくるでしょう。
また、わかりやすい見出しをつけること、そして本文を書く際は結論から先に伝えることも重要です。5W1Hに沿って情報を整理し、専門用語は控えめにするなど、読み手に配慮した文章を心がけましょう。
関連記事:【広報・PR】プレスリリースとは?メディア掲載されるための書き方9つのポイント
情報のマルチコンテクスト化
加えて、メディアの関心事に合わせて情報をカスタマイズすることも効果的です。経済部であれば業績への影響、社会部であれば社会的意義など、各部署の視点を意識したプレスリリースを用意できれば、反響も大きく変わってくるはずです。送付するメールの件名をアレンジするのも効果的です。
広報担当者は、常日頃から社内の情報を集め、どのような切り口でリリースを発信できるか整理しておく必要があります。その際、企業の公式見解だけでなく、社内の異論や課題なども含めて情報を集約しておくと、記者からの質問にも的確に答えられるでしょう。
関連記事:ニュースレターとは?プレスリリースとの違いや作成のポイントを紹介!
メディアリレーションの本質は信頼関係にあり
メディアリレーションの本質は、広報と記者の信頼関係にあります。記者の仕事や、抱えている課題を理解した上で、Win-Winとなるネタを提供し続けることが何より大切だと言えるでしょう。
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