一般財団法人日本財団ボランティアサポートセンター

脱・超アナログ。広報のDXで全国の記者へ効率的にアプローチ

業種

医療・福祉

従業員数

目的・効果

プロジェクト管理の効率化

今夏開催予定の世界的な大規模スポーツイベント。その開催・運営を支えるのが全国約12.5万人のボランティアです。このボランティアへの育成・研修事業を通じてその力を最大化し、大会後もボランティア文化をレガシーとして後世に残すべく活動しているのが、一般財団法人日本財団ボランティアサポートセンターです。

ボランティア活動に役立つ情報を広く世の中に周知し、団体の活動の意義を広めるための広報活動に従事しているのは、倉田伸也さん小久保秀善さんのお二人。倉田さんはかつて新聞記者として報道の現場に立っていた経験もあり、広報未経験ながらも現職に抜擢された小久保さんをサポートしています。

リリースの内容は、地方自治体との連携協定の発表やボランティアに役立つ情報の発信、企業ボランティアへの研修活動の報告など多岐にわたり、メディアリストの範囲は全国に広がっています。しかし、『PRオートメーション』導入前のリリース配信はメールのBccを利用した「超アナログ」な方法で行なっていたと言います。

シャドーワークが多く、ヒューマンエラーも起こりかねない状況を改善すべく、広報のデジタル化を目指していたところに出会ったのが、『PRオートメーション』でした。導入後、早速全国紙の紙面掲載も獲得したという倉田さん。デジタル化の一歩をどのように踏み出したのか、伺いました。

ボランティアを“自分ごと”に。社会的意義をどう伝えるか。

Q.現在どのような広報活動を行なっているのでしょうか?

倉田さん:
ボランティア文化の浸透と、大会後もその文化を継承していくための社会的意義の認知が主な目的です。ボランティアレガシーという言葉がよく使われますが、わかりやすく言えば、より多くの人がボランティア参加をしやすい社会を創り出すことが私たちの役割です。

Q.具体的にはどのようなリリース内容が多いのでしょうか。

倉田さん:
自治体との連携協定の報告や、手話・英語などのボランティア現場で役立つ情報の提供、またボランティアへの研修実施の取材案内をリリースとして配信しています。

最近では「企業ボランティア」といって、社員のボランティア活動を積極的に支援する企業が増えており、これらの企業からのボランティアへ向けて、英語や手話、各種講演会などボランティア現場はもちろん、本業でも役立つスキルや知識を提供する独自研修を行っています。

このような発信を通じて、ボランティア参加を後押しする機運を醸成するのが私たちの目指すところです。

Q.社会的意義の認知は、効果が測りにくいテーマでもあります。

倉田さん:
たとえば企業ボランティアのケースでは、ボランティア向けの意識調査を行い、ボランティア活動に参加することで、会社に対するエンゲージメントにどのような効果があったのか、社外活動が業務にどのようなプラスの影響を与えたのか、といった定量的データを集計し、発信することも予定しています。

すでに大会前の意識調査は実施しており、今後大会でのボランティア活動後にも同様の調査を行うことで、推移を分析する予定です。

ボランティアを送り出す企業側にとっても、社員の皆さんのボランティア活動が本業にもプラスになるということが認知されれば、ボランティアを後押しする社内風土が広がるはず。そういった展開を期待しています。

Q.どのような媒体がリリースの対象となるのでしょうか。

倉田さん:
新聞の運動部や社会部、大会関連のニュース担当者、TV各局が主な配信先です。媒体は比較的限られていますが、全国にわたる地方各局の記者へ発信する必要があるためメディアリストは500以上あります。

宛先コピペでBcc配信は卒業!広報のDXでヒヤリハットを0へ。

Q.『PRオートメーション』導入前は、全国に広がるメディアリストをどのように管理していたのでしょうか?

倉田さん:
それまでは超がつくほどアナログでした。Excelのシートから、メールのBccの宛先に、1つずつコピーするという(笑)。ヒューマンエラーがいつ起きてもおかしくない状況ですし、Bccの件数が多いとメールサーバーで弾かれてしまうケースもありました。

小久保さん:
時間的にはもちろん、大会に関する重要な事項もあるため、ミスは許されないという精神的なプレッシャーも大きく、ストレスになっていましたね。

Q.「わかる!」と共感している広報担当者が多いと思います。

小久保さん:
僕は広報未経験だったので、リリース一つ書くにもすごく時間がかかってしまっていました。書き方一つでどう捉えられるかわからないので、誤解がないような表現になるように気をつけたり。書き終えたと思ったら、配信にはまた別の不安がつきまとうので、ずっとひやひやが続く状況でした。

Q.そこで、ツール導入を検討していたのですね。

倉田さん:
「広報のDX」を目標に様々なツールを検討したのですが、広報業務に特化したものは意外と少ないなと。マーケティング向けのメルマガ配信ツールなどはありますが、広報ならではの使い方ができず、ピンとくるものになかなか出会えませんでした。

Q.弊社の代表が登壇した広報担当者向けのセミナーが、『PRオートメーション』との出会いでした。

倉田さん:
『これが次世代の広報スタイル!PRのデジタルトランスフォーメーションを考える』というタイトルに「これだ」と(笑)広報の専門企業が作った「広報のDXツール」という触れ込みに、大いに期待しました。

Q.『PRオートメーション』導入の決め手はなんでしたか?

倉田さん:
リリース配信の自動化に加え、リリースの既読率がわかる点ですね。今まではどこが興味を持ってくれているのかすらわからず、配信後のメディアアプローチも雲を掴むような感覚でした。どこから当たればいいかわかるのはありがたいなと。

また、当時はまだベータ版という段階でしたが、既に完成されたツールではないところもかえって魅力でした。実際、導入から今までの数か月の間にもどんどん新機能が実装されているので、これから我々のような利用者の意見を取り入れながら、よりブラッシュアップされていくのだろうと、楽しみです。

Q.実際、使ってみた感想はいかがですか?

倉田さん:
リリースがどれだけ読まれているかがわかることで、想像以上の気づきが生まれています。普段からやりとりしている記者の方は読んでくれているだろう、と思っていたらそんなことはないとわかったり(笑)。改善のポイントが見えやすいですね。

小久保さん:
過去の類似リリースを送るときには、リリースの複製機能も便利です。宛先の設定も、タグを利用してすぐに送信することができて、以前のような手間も不安もありません。

Q.その記者タグですが、使い方にも御社ならではの特徴が表れています。

倉田さん:
他社さんでは「新商品情報」「イベント」などの興味関心軸で分けているところが多いと伺いましたが、私たちはエリアで分けています。「中央」「埼玉」「東北」など、約10のタグを利用しています。

大会関連のニュースは媒体によって、担当が運動部だったり社会部だったりとまちまち。そのため興味関心軸で分けるよりも、エリアのタグを活用して配信する方が自分たちにはあっているんです。

勘所を押さえたアプローチで掲載獲得。ボランティアレガシー浸透へ前進

Q.広報業務から研修の実施、公式サイトの運営など様々な業務をお二人で分担されていらっしゃいますが、『PRオートメーション』導入によって効率化は進められていますか?

倉田さん:
はい、特にリリース配信後のメディアアプローチでは、既読がついた記者から順に電話をかけていくことで、掲載に繋がりやすくなったと感じています。

小久保さん:
リリース内容も、今まではどう改善していけばいいのかわからず、アイデアベースになっていました。それがデータ・ドリブンで行なえるところもいいですね。

Q.実際、掲載につながった事例はありますか?

倉田さん:
ボランティア活動における新型コロナウイルス感染予防対策についての発表のお知らせを『PRオートメーション』を使ってリリース配信したところ、全国紙の社会部の記者の方が発表会へお越しくださいました。結果的に私の取材コメント入りで夕刊紙面に取り上げていただくことができ、理想的な形での掲載となりました。

Q.今後はどのようなことに注力していきたいですか?

倉田さん:
ボランティアレガシーを残すという大きな目標に向け、より具体的な施策を行なっていきたいです。我々が参考にしている過去の大会は、ボランティア人材が大変活躍した大会と言われ、大会後には参加したボランティアのデータを後継団体に引き継ぎ、その後もボランティア募集の情報を送るなどして、文化の形成につなげようとしています。

私たちも、ボランティア活動を大会後も継続してもらうための社会の基盤づくりに着手し、その活動を世に広めていきたいと考えています。今までは紙媒体の掲載が多かったのですが、今後はTVやWebメディアの開拓も進めていきたいです。

Q.『PRオートメーション』を今後どのように活用していきたいですか?

倉田さん:
既読状況と掲載数の相関は追っていきたいですね。リリースを見た人がその後どんな記事を書いたのかをチェックすることで、リリース内容の改善につなげていきたいです。

また、各記者の興味関心などもメモ的に記録でき、検索で後から抽出することもできるので、今後使い込むにつれて有用なデータベースとして機能してくれることを期待しています。

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