レジャー建設
1,000名以上
情報共有の効率化
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森トラスト株式会社は、日本の都心部における大型複合開発や、主要リゾート地のホテル事業を展開する不動産ディベロッパーです。同社はこれまで、コーポレート広報とホテル事業の広報を別々に管理してきましたが、2019年から統合を進め、2024年にはすべての広報活動を一元管理するためにPRオートメーションを導入しました。34ものホテル施設と、コーポレートのブランディング活動に、どのような広報シナジーを見出しているのか。ホテル事業の広報を担当する進藤さん、企業広報を担当する西田さんにそれぞれお話を伺いました。
Q.事業広報の主な活動内容と方針を教えてください。
進藤さん:
34のホテル施設の広報サポートを行っています。ホテルごとに広報担当がいるケースもあるのですが、運営業務と兼務の場合も多いため実務面をフォローしています。トレンドに合わせて露出獲得を見込める話題の提案や、プレスリリースの作成を行っています。
Q.広報活動において大切にしていることはなんですか?
進藤さん:
同じ森トラストグループが手掛けるホテルであっても、ビジネスマン向け、ファミリー向け、といったお客様の違いはもちろん、ブランドごとにさまざまな特徴を持っています。「マリオットブランドらしさ」「当社直営のラフォーレブランドらしさ」といったそれぞれのブランドイメージに沿った認知を広げることを目標にしています。
Q.事業広報(以下ホテル広報)ではなく、企業広報(以下コーポレート広報)の目的はなんなのでしょうか?
西田さん:
弊社ではホテル・リゾート事業だけでなく、商業施設やビルなどのBtoB向けの不動産事業も展開しております。BtoB事業における「森トラスト」の認知度にはまだ伸びしろがあると感じており、取引時の信用性向上のためにも企業ブランディングにも注力をしております。
Q.事業広報と企業広報の広報活動はどのように管理されていたのでしょうか。
進藤さん:
ホテル広報、コーポレート広報がばらばらのツールを使用している状態で、ホテル同士でもメディアリストや活動内容を共有できていませんでした。各ホテルの広報担当者からは「(森トラストグループが手掛ける)他のホテルがどんなリリースを出しているのか、どんな施策を行っているのか」と相談されることも多く、グループ内の情報連携が課題でした。
リストの重複も起きており、記者さんによっては週に何通も別々のホテルからリリースが届いている状況でした。
Q.情報連携のほかに、重要視したポイントがあれば教えてください。
進藤さん:
情報連携の機能はもちろんですが、各ホテルへの活用を浸透させるという観点で、「使いやすさ」は重要視していました。担当者によってデジタルツールの得意・不得意がありますので、複雑な操作を必要としないことは大きなポイントでした。「PRオートメーション」は、全ての機能を1画面から実行することができ、誰でもわかりやすい見た目になっていて、広報の方が広報のためだけにつくったツールだと思いましたね。
西田さん:
機能の拡張性も重視していました。実際にリクエストに応じたアップデートを頻繁に行ってくださいます。業務に合わせた改善依頼を出すと、「この前リクエストいただいた機能、追加しておきました」といつの間にか対応が終わっていることもあり、大変ありがたいですね。
Q.ホテル広報ではどのように活用されていますか?
進藤さん:
全ての取材対応を「取材カード」に登録し、リリースに紐づけて進捗管理できるようになったため、重複を避けた配信がしやすくなりました。また、リリースの開封率も見えるようになったので、配信後のメディアアプローチの際には各記者さんの関心を把握したうえでコミュニケーションを図ることができ、広報活動の生産性と質が高まりました。
たとえば「Aホテルのリリースは見ているけど、Bホテルのものは見ていない」ということがわかれば、お電話をした際にそうした質問もできます。森トラストグループ全体ではかなりのリリース数になってしまうので、できるだけ興味関心の高いものだけを案内し、そうでない情報はあえて送らないという記者の方目線でのコミュニケーションができるようになり、その結果、掲載の獲得にもつながっています。
西田さん:
管理効率が大分あがりました。すべてのメディアリストを統合したことで配信先の母数はかなり増えましたし、メディアごとにタグをつけて管理することで、ホテルやコーポレートそれぞれの話題やターゲットの違いに合わせて、配信先を設定することも容易になりました。
Q.コーポレート広報観点ではどのような効果を感じていますか?
西田さん:
弊社に関心を持ってくださる可能性の高い記者の方との接点が広がったことには、非常に良い効果だと感じています。また、ホテル広報のクリッピングも見ることができるようになったので、「今ホテルはこのような取り上げられ方をするのか」と業界動向のインプットにもなっており、企業広報施策のヒントをもらっています。
代表の伊達への取材では、観光業界全体に対する提案や、動向への見解を求められることも多く、そうした際の情報収集にも大いに役立っています。
Q.今後より活用していきたい機能などはありますか??
進藤さん:
やはり分析機能ですね。今はクリッピングのタグの付け方を色々と工夫しています。キーワードの粒度が大きくても、小さすぎてもばらつきが出てしまうのでなかなか難しいのですが、カスタマーサクセスの方に伴走していただきながら、精度を高めているところです。
また、グループ内のホテルがどのような広報活動をしているのかが、誰でも確認できるようになったので、ホテル間の情報共有も活発になりました。今後、より切磋琢磨していければと感じています。
Q.コーポレート広報としてはいかがですか?
西田さん:
適切で、効果的なKPIの見直しですね。コーポレート広報、ホテル広報のいずれも、宿泊数や売上ではなく、質の高い露出数を大切にしているのですが、その計測方法も見直す余地があるかなと思っています。全施設で共通のツールが導入されたので、統一の指標にしていきたいです。いい意味で、広報活動の結果がグループ内でオープンになったので、担当者のモチベーションにもつながるものを模索して見つけていきたいです。
素敵なお話をありがとうございました!